フリマサイトやフリマアプリが広く使われ、すっかり定着した現代。
様々なものが気軽に買え、簡単に出品可能であり、売買双方にメリットがあります。
が、お気軽に売買可能ということは、問題が山積みになり易いということでもあります。
参加のハードルが低い為、インチキ品や悪質参加者が発生し易いのです。
何かある度に、毎度問題になる話。
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そんな「フリマサイト問題」に、また追加の時事ネタが。
今度の話は、山菜に関する話です。
kachimai.jp(2020/5/20)
上記記事の内容をザックリまとめると、以下の様なものになります。
◆「北海道内の道有林」等で、一般人が採ったと思われる山菜が、フリマアプリ上で販売されている。
◆「道有林での山菜採り」そのものは、違法ではない。が、乱獲すると地域から絶滅してしまうので、自分で食べる分を・自分の手で採るというのがマナー。フリマサイトへの出品は、明らかにマナー違反。
◆今回特に目立つのは、5月上旬ごろにシーズンとなる美味しい山菜「ギョウジャニンニク」である。フリマサイトでも人気のある山菜。
◆それ以外にも「タラの芽」や「ウド」等々、かなりの種類が販売されているが、こちらも同様にマナー違反。
◆この事態に、行政側は困惑。想定していなかった事態であり、頭を抱えている。
この「道有林で採った山菜のネット販売」ですが…
今のところ、直ちに違法とする法律が見当たらない為、禁止命令や逮捕拘束という方向には行きません。
しかし、行政サイドとしては苦々しく思っている様子。かつての「マスク転売ヤー問題」と同様に、対策を講じてくるでしょう。
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しかし…
この「マナー違反の山菜採り」を論じるに当たり、マナー云々の前に注意すべきことがあります。
それは、
「どこの誰が採ったか分からない山菜は、本当に安心して食えるのか?」
「毒草が混じっていないのか?」
という点。
命に係わる話であり、毎年問題となっていることです。
きちんとした店を構え、売っている者の顔が見える状態であれば、まだ安心度が高い。何かあっても、面と向かって話ができます。
他方、フリマサイトは「見ず知らずの人」が売り手になる場合が多い。顔の見えない相手から山菜を買うユーザーは、どうやって安全確認をやっているんでしょうか?
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筆者は、今から1年前に、「山菜と毒草を間違えた悲劇」という内容の記事を書きました。
この記事では、先述の「十勝毎日新聞」で取り上げられたギョウジャニンニクと、猛毒のイヌサフランを間違えて食べてしまい、大事件になった…という話を取り上げています。
両者は見た目が似ており、不慣れな人は間違える可能性が高い植物。各種関係機関が、「食べるな危険」と頻繁に注意喚起しています。
www.tokyo-eiken.go.jp(2020/5/23閲覧)
フリマサイトには、「商品の画像」が添付されることが多い。山菜も同様です。
ですが、それだけを見て「この山菜は安心できる」と断言できる能力が、世の中の人々皆に備わっているか?
それは、かなり難しいでしょう。
実物を見ないと分かりませんし、実物を見ても「こんなのだっけ?」と首をかしげる人もいます。不慣れな人が、安易に手を出すべきではありません。
特に「医療関係の品」や「鮮度が重要な品」に関しては、フリマサイトで取り扱うのは難しい。
法律の問題もありますが、こういった品は「保管状態」が重要な為、画像だけ見ても安心できません。画像の見た目はOKでも、実物がおかしい場合もあります。
もしおかしな品を買えば、最悪命に係わります。
売る側も買う側も、その点を忘れてはいけませんね。
特に売る側は要注意。
出品時に「ノークレームで」と念押しをやっても、いざ事件になった場合は警察が動くことになる。そう思った方がいいでしょう。
売る側が「ノークレームと言ったから、責任はない」と主張しても、警察が聞く耳を持ってくれるかどうかは別問題です。
「トラブルに絶対巻き込まれない、強烈な自信がある」と断言できる人でなければ、フリマサイトでの難しい取引は控えた方がいい。
筆者はそう考えます。
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【参考書籍 書店リンク】