新型コロナウイルス騒動が収まらぬ昨今。
人の心身に与えるダメージも大きいですが、経済に与えるダメージも大きい。
そんな中、イギリスの元首相が、結構な巨大ボールを投げてきました。
www.jiji.com(2020/3/27)
英国のブラウン元首相は世界の主要国の指導者に対し、一時的に「世界政府」を設立するよう呼び掛けた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療・経済両面での危機に対応するためだという。
英紙ガーディアンが26日に報じた。
報道によると、ブラウン氏は「これは一つの国で対応できる問題ではない。協調した世界的な対応が必要だ」と指摘。
(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032700231&g=intより。改行・強調等は筆者によるもの)
新型コロナウイルス騒動は、世界的な問題。
各国がバラバラに対応していたのでは、解決しきれない。
現在の国連は、いわば「組合」みたいなもので、強制力に乏しい面が多い。
それ故、「世界規模の政府」という強力な枠組みを作り、コロナ騒動が収まるまでの間だけ機能させてはどうか?
…こういう理屈らしいです。また大きなボールを投げてきましたね。
ただ、この発言の主であるブラウン氏。
2007~2010年にイギリスの首相をやっていた人ですが、大失敗をやらかしたことで有名な人でもあります。
2010年の選挙期間中、遊説先で一般女性に批判されたブラウン氏は、陰でコッソリ「あのクソババア!」と暴言を吐いたのですが、その言葉を「オフにするのを忘れた取材用ピンマイク」に拾われてしまい、大炎上した過去があります。
その暴言が報じられ、自陣の評判を落として選挙に大敗した人です。
その過去がある為なのか、それとも世界に余裕が無いからなのか。
ブラウン氏の唱える「世界政府構想」は、今のところ相手にされていない模様です。
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この「世界政府構想」。
新型コロナウイルス騒動が起きるずっと前から、色々な場面で論じられるネタであり、様々なフィクション作品のテーマにも取り上げられる設定です。それ故、
「世界政府の創設に、どの様な困難が伴うか」
「世界政府が樹立できたとしても、それで全ての問題が解決しないのではないか」
という議論が頻繁に起こっています。
地球が一つにまとまった状態の「世界政府」。
国境が無いということは、争いも無い。
これは素晴らしい!
…こうなればいいのですが、そうはいかないでしょう。
では、なぜ「うまくいかない」と言えるのか?
この機会に、少し考えてみたいと思います。
その題材として、世界政府を扱ったアニメ作品『機動戦士ガンダム00(ガンダムダブルオー)』で描かれた話に触れていきます。
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『機動戦士ガンダム00』は、2007年に初放送された作品。
2007年に第一部(1stシーズン)が放送され、翌2008年に第二部(2ndシーズン)が放送され、2010年には劇場版が公開された名作です。
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『機動戦士ガンダム00』は、
1stシーズンで「世界政府ができるまで」を描き、
2ndシーズンで「世界政府の設立直後」を描き、
劇場版で「世界政府がまとまった後の戦い」を描く
…という作品です。
1stシーズンの冒頭をザックリ紹介すると、下記の通り。
▼物語は、西暦2307年(24世紀)の地球から始まる。
▼24世紀の地球では、石油などの化石燃料が枯渇。人類は、衛星軌道上に建設した巨大構造物「太陽光発電システム」を新たなエネルギー源とし、その核となる「3つの軌道エレベーター」を中心とした世界を作り上げていた。
▼「軌道エレベーター」とは、衛星軌道上にまで届く桁外れの巨大なタワーである。その全長は、約5万キロメートル。このタワーを通して、宇宙空間に設置した発電装置から電力を地上に供給。そのエネルギーで世界は動いていた。
▼また、軌道エレベーターのおかげで「電車に乗る感覚で宇宙ステーションに行く」ということも可能になった。ロケットを飛ばして衛星軌道に達する時代は、遥か昔のことである。
▼この「軌道エレベーター」は、その巨大さ故に脆く、少しの攻撃を受けただけで大規模崩落を起こしかねない建造物。維持・防衛が大変困難なものである。
▼その為、世界の大半は「3つの国家群」に分裂。それぞれの国家群がひとつずつ軌道エレベーターを建設・所有・管理し、太陽光発電システムの恩恵を得ていた。
▼しかし、地球上にある全ての国家が、「3つの国家群」のどれかに属しているワケではない。加盟に至らなかった国家は、太陽光発電システムの恩恵を受けられず、貧困に陥り混乱していた。酷い場合は、内戦状態になる国もあった。
▼「軌道エレベーターを所有する、3つの国家群」の内訳は、以下の様なものである。
(1)北米・中南米を主な構成国とする『ユニオン』。日本もこの傘下である。
(2)中国・ロシア・インドを中心として構成される『人類革新連盟』。
(3)ヨーロッパを中心として構成される『AEU』。
▼3つの国家群は、それぞれが威信と繁栄を賭け、経済力や軍事力の面でしのぎを削っていた。24世紀になり、大きな国家群を形成するレベルに発展した人類だったが、一つにはまとまらなかったのだ。
▼そんな時代に、世界に向かって「武力による戦争の根絶」を唱え、戦いを挑む武装組織が出現する。組織の名は「ソレスタルビーイング」。どの国家にも所属しない、謎の私設武装組織である。
▼強力なモビルスーツ「ガンダム」を所有するソレスタルビーイングは、3つの国家群だけでなく、世界中の国家・組織・企業に向かって宣言する。
「戦争に関与する者・全てに、武力介入する」と。
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(上画像:主役機である「ガンダムエクシア」)
▼武力による戦争の根絶。この矛盾した宣言に笑う者が大半の世界を相手に、ガンダムによる全戦争行為への介入が始まる。
その姿勢を目の当たりにした世界は、「3つの国家群で争っている場合ではない」と考えを変えていくのだが…。
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『機動戦士ガンダム00』の入り口は、上記の様な感じです。
科学技術が発達し、半永久的なエネルギーである「太陽光発電システム」を手に入れたのに、人類はまとまりきらず・殺し合いを続けている状態。
そこに出現した謎の組織「ソレスタルビーイング」。彼らの介入によって、世界は同じ方向を見て進み始めるのですが…。
長くなるので、本日はここまで。
続きは次回記事にて。
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