新型コロナウイルス騒動に伴い、マスクが品薄状態です。
「日本国内での消費量が激増」と、「中国の物流が止まって輸入量減」とのダブルパンチで、かなりの品薄状態。
そこに、一般の店でマスクを買い占め・高額で転売する「悪質転売ヤー」が加わり、トンデモな状況に。
その様子を見て、遂に国が重い腰を上げました。
製造業界にマスクの増産を依頼する傍ら、悪質転売ヤーに刑事罰を下す方向で動いています。
www.jiji.com(2020/3/10)
政府は10日の閣議で、小売店で購入したマスクを取得価格より高値で転売する行為を禁じるため、国民生活安定緊急措置法の政令改正を決定した。違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科す。
15日に施行し、新型コロナウイルスの影響で品薄が続くマスクの供給回復を目指す。
規制対象となるのは小売店やネット通販などで購入したマスクで、購入者が取得価格を超える価格で第三者に転売すれば違法とする。
製造、卸、小売りなどの事業者間で行う一般の商取引は対象としない。
(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031000216&g=polより。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)
今回の措置は、製造業者や既存の物流網には規制をかけることなく、小売店の品を買い占め・足元を見た極端な高値で売ろうとする「悪質転売ヤー」を狙い撃ちにしたもの。
政令の効力が発動するのは、2020年3月15日からです。それまでの間は、悪質転売ヤーの行為は”一応”合法。
その為、悪質転売ヤーは慌てています。何とか買い占めたマスクを売り捌こうと必死。
しかし、主な販売手段である「ネットのフリマサイト」や「ネットオークション」の運営が受け付けなかったり、有志が購買を阻止したり等、悪質転売ヤーを封じる動きは始動済み。
多数の悪質転売ヤーが、在庫を抱えて苦い顔をしていることでしょう。
次は、「マスクの不法投棄」に気を付けないといけませんね。
マスクが売れなくて困った悪質転売ヤーが、あちこちに捨てる可能性があります。
(提供:Amazon)
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このマスク騒動にからみ、ひとつのニュースが報じられました。それは「ある政治家が、マスクを異様な高値で販売している」というもの。
政治家の名は、静岡県議の「諸田洋之」氏。
裏の行動がバレて、釈明に追われました。
www.youtube.com(2020/3/8)
www.asahi.com(2020/3/9)
静岡県議会の諸田洋之県議(53)=無所属、焼津市選出=が、インターネットオークションにマスクを大量に出品していたことが分かった。
諸田氏は9日、静岡県庁で会見を開き、「転売ではない」としたうえで、「議員としての道義的配慮が足らず、誤解を与えてしまった。不快に思われた方に深くおわび申し上げます」と謝罪した。
本人の説明によると、出品したマスクは、自身が経営する貿易会社で過去に中国から輸入し、在庫として保管していたものの一部。
1セット2千枚で、2月4日~3月6日に計89回出品。最高で17万2368円の値がつき、売り上げは計約888万円にのぼった。
一部の報道を受け、現在は出品していないという。
(https://www.asahi.com/articles/ASN393SY0N39UTPB002.html)
諸田県議。何とも呆れた議員です。
地方自治体レベルでも、マスクの品薄に悩んでいるというのに…。
ちなみに、諸田県議の個人ページは速攻で閉鎖。
本人のものらしきツイッターアカウントは、現在も消えずに残っています。しかし、最後のツイートが2020年2月4日付で、内容が「県職員の給料」に関する話でした。カネの話だった為、追加燃料となって更に炎上しています。
令和元年の静岡県職員の給与水準は全国第1位でした。そこで、本当に貰いすぎなのか、検証したいと思います。
— 諸田洋之 (@HiroyukiMorota) February 3, 2020
今回の動画で得られることは次の点です。
・給料水準を示すラスパイレス指数とは
・国、県、市給与が良いのはどこか
・就職先の狙い目はどこかの3点です。https://t.co/UmRg8iIYhU
「諸田県議の裏商売が、なぜバレたのか?」は不明ですが…過去にも怪しい商品を扱っていたという話もあり、その時に個人名を晒していた経緯があります。今回の話でも、バレる素養はあったのでしょう。
(参考:マスク抱き合わせ販売の諸田洋之議員、過去にマジコンも販売か?(大元隆志) - 個人 - Yahoo!ニュース)
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今回のマスク騒動に関し、首謀者の諸田県議は「必要なところに配る為に、ネットオークションを利用した」と弁明しています。
その弁明が真実だとしても、以下の不審点アリ。
(1)ネットオークションでは、「即決価格」というシステムを採用している場合がある。
これは、競り合いの上限価格を決めるもので、この価格に達した時点で取引が成立する。そうやって、過度な高騰を防ぐものである。
今回、諸田県議が即決価格を設定したという話は無い。もし即決価格を設定したとすれば、その価格帯を見て「儲ける気マンマンだったかどうか」が分かる。
(2)マスクをネットで売るのであれば、ネット店舗を構えたり、フリマサイトを利用したり、いくらでも方法はある。
しかし、諸田県議が選んだのは「ネットオークション」である。客同士の競り合いで、いくらでも高値がつく場所。「なるべく高く売って儲けたい」という心がなければ、選択しない場所である。
要は、「バレで騒ぎになったので、何とか言い訳をして誤魔化そう」という下心が見え隠れする話なのです。
案の定、諸田県議の話を信じない人が多い。
なお、諸田県議が売り捌いたマスクは「最近買ったものではない」「10年くらい前に買ったもの」とのこと。諸田県議がそう言っています。
そんな古いマスク、使って大丈夫なのか?
静岡県の諸田県議は、先月上旬からネットオークションで医療用マスク2000枚セットなどを89回にわたって出品していました。
最高価格は約17万2000円、売り上げは約888万円でした。
諸田県議はマスクは約10年前に自身が経営する貿易会社が大量に仕入れたもので、「不当な利益ではないが、県議会議員として判断を誤った」と謝罪しました。
(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000178415.html)
筆者の所にもマスクはありますが、使用期限は書いてありません。しかし、永遠に使えるものでもないでしょう。使用期限の目安はあるハズ。
そんなマスクを市中に流出させたのであれば、「10年前の品でも絶対大丈夫」という根拠を示して頂きたいものです。
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マスク不足で世間がピリピリしている時に出た、諸田県議の怪しい行動。
当然、世間からの風当たりは冷たい。「議員辞職すべき」との声も多い。先に紹介した「諸田県議のツイッターアカウント」にも、厳しい声が寄せられています。
しかし、諸田県議が当選したのは、2019年3月。地方議員の任期は4年であり、何もなければ2023年まで議員であり続けます。
www.nhk.or.jp(2019/4/8)
ただ、諸田県議は地方公共団体の議員。この場合、選挙区の住民から解職請求が出せます。いわゆる「リコール」というヤツですね。
根拠は、地方自治法の第80条。
(参考:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000067#330)
一定数の署名を集めて選挙管理委員会に提出したり、住民投票を実施したり等の手続きを踏まねばなりませんが、有権者が言い出しっぺになって解職に追い込むことは可能。
過去に、いくつも実例があります。
(参考:Google検索「地方議員 解職請求」https://www.google.com/search?q=%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%AD%B0%E5%93%A1+%E8%A7%A3%E8%81%B7%E8%AB%8B%E6%B1%82&sxsrf=ALeKk02wFcxCW3E0Z9_dUvCbNXwzTpUP5A:1583845273039&source=lnms&sa=X&ved=0ahUKEwjts4O3-4_oAhUDM94KHV5wDA0Q_AUICSgA&biw=1343&bih=937&dpr=1)
諸田県議が「議員を辞めるつもりはない」と言っても、通らないかも知れない。
仮にリコールが成立した場合、史上稀にみる「マスクが原因でクビキリを喰らった議員」となってしまうかも?
油断できませんね。諸田県議。
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【参考書籍 書店リンク】
『残念な政治家を選ばない技術』
【Book Live!】(試し読みアリ)
【BOOK☆WALKER】(試し読みアリ)
【コミックシーモア】(試し読みアリ)