年末恒例、「今年を振り返る」というテーマで綴る記事の、第5弾です。
今回は、「炎上したけれど、その後の様子に興味を持つ人が少ない」といった、忘却鎮火事例について触れていきます。
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2019年の3月。
とある地方議員さんが、炎上騒ぎの渦中にいました。
www.fukuishimbun.co.jp(2019/3/14)
福井県高浜町は、福井県の西端。日本海と山に囲まれた地域で、2019年2月末時点での人口は、約1万人。
この高浜町で、町議をやっていらっしゃる児玉議員は、議員としての顔の他に、美容師としての顔もお持ちの方。
更に言えば、狩猟免許をお持ちのハンターさんでもあります。
abematimes.com(2017/5/10)
福井県高浜町は、自然が豊か。都会に比べれば野生生物が多く、ハンターとして活躍できる場面がある地域です。
児玉議員は、鹿や熊などを狩り、解体・精肉までを行い、「ジビエ」に深く関わる議員さん。全国的に見ても、なかなか個性的な方ですね。
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この児玉議員ですが、冒頭でも申した通り、「ネットで炎上した」という方。
その原因は、彼女のスキルである「狩猟」にありました。
(「狩猟」イメージ画像 http://mousai.pics/pics/9725/)
児玉議員は、ハントした獲物と一緒に記念撮影をしたり、獲物の解体過程などを撮影してネットにアップしていましたが…。
その画像を見たユーザーから抗議が出て、そこが導火線になって炎上騒ぎに発展しました。
どこに抗議が出たか?…といえば、ハンティングそのものではなく、「皮を剥いだ獲物の横に、変顔した児玉議員が写った画像があった」という点。
ハンティングは、野生生物の命を奪う行為です。それは間違いない。
しかし、害獣駆除や人的被害防止という重要な役割も担っています。決しておかしなものではありません。
また、児玉議員は正規の手続きを経て、合法的に狩猟をしていたとのこと。違法ではありません。
しかし、わざわざ「ウケ狙いの変顔」で記念撮影していたことが、叩かれるネタになってしまいました。
ここがネットの怖いところです。
なお、最も大きな声をあげたのは、タレント「杉本彩」氏が代表を務める、動物愛護団体です。
児玉議員の辞職要求要望書を、高浜町議会に提出したと発表していました。
www.tokyo-sports.co.jp(2019/3/14)
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この騒ぎが起こったのは、2019年の3月ごろ。
それから、9ヶ月ほどの期間が経過しましたが…今、児玉議員はどうされているのでしょうか?
実は、騒動発生から間もない2019年4月に、高浜町では町議員選挙が行われました。
任期満了に伴う選挙で、いわゆる「統一地方選」の一環です。
児玉議員にも、有権者の審判が下ったワケです。
その結果は…
児玉議員は当選。
現在、二期目の町議として活動されています。
www.fukuishimbun.co.jp(2019/4/22)
当時はまだネット炎上から間もない時で、出馬の是非から考えたそうですが、悩んだ末に出馬し、当選したとのこと。
当選者が14人で、児玉議員は11位当選。
(参考:https://go2senkyo.com/local/senkyo/18934)
当選の挨拶で、「いろんな人に迷惑をかけたが、二期目を頂いたので、頑張りたい」とコメント。
炎上については、忘れていなかった模様ですね。
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まあ、そもそも児玉議員の炎上は「変顔していた」という点が火元であり、違法行為が原因で炎上という話でもなかったワケです。
誰が見ているか分からないネット空間に、地方議員という公的立場を持ちながら、見る人が見れば怒る様な画像を投稿したのが悪かった。
ネットリテラシーの問題です。
その後、ヘタな言い訳・逆切れ・揉み消しを図ったという話もなく、謝罪して再発防止に動いたのが良かったのでしょう。
ただ、また似た様な話が出てきた場合、次は大炎上で済まない可能性が高い。児玉議員には、注意して頂きたいですね。
他方、抗議声明を出した動物愛護団体や、炎上に乗っかって騒いだ他ネットユーザーさん達の動向は、まあ静かなものです。
「杉本彩 児玉千明」で検索しても、2019年3月近辺の話しか出てきません。
炎上発生当時、これでもかとバッシングしていた方々は、何をもってバッシングを止めたのでしょうか?
謎ですね。
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ちなみに、児玉議員の最近の活動について、ちょっと興味深い話があります。
それは、「関西電力と高浜町の癒着構造について、議会で発言した」というもの。
www.fukuishimbun.co.jp(2019/4/22)
「関西電力の役員や、福井県の職員達が、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏から裏金を貰っていた」という話。
全国ニュースでも、かなり詳しく取り上げられている問題です。
この問題に関し、児玉議員が「元助役と町の関連を調査する、監査請求動議」を提出しましたが、結果は否決。
若くてシガラミのない立場だからこそ、提出できたのでしょう。
この否決ニュース。関西ローカルでは、チョコッとだけ流れていましたが…。
もし可決されていたとすれば、全国ニュースで児玉議員の名前が流れていたかも知れません。
町議会が、町役場の仕事を調査しても、何ら問題ないハズなのですが?
否決に回った議員さんの、詳しい反対理由が気になるところです。
-----------------(記事了)-----------------
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