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【犯罪捜査の話】「プロファイリング」の古典は、面白い(後編)~44人を救った技術

先日から、『FBI心理分析官~異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』という本について、記事を書かせて貰っております。今回は、その最終回です。

 

tenamaka26.hatenablog.com

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『FBI心理分析官~異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記』(以下『FBI心理分析官』と表記)は、いわゆる「犯罪者プロファイリング」について述べられたノンフィクション書籍です。

作者は、元FBI捜査官の「ロバート・K・レスラー」氏。

 

(提供:Amazon)

(著:ロバート・K・レスラー、トム・シャットマン/翻訳:相原真理子早川書房)

 

「犯罪者プロファイリング」の目的は、「容疑者の絞り込み」です。

 

事件発生後、警察が捜査を開始するわけですが…早い段階で犯人を捜して逮捕しなければ、被害者が増える一方。しかし、警察の人員には限りがありますし、どこから手をつけていいか分からない場合もあります。

そこで有効活用されるのが、「犯罪者プロファイリング」です。

 

プロファイリング担当者は、現場に残された手がかりと、蓄積された犯罪データを比較し、過去の事件と共通点がないかを探します。

もし共通点があれば、それを参考にして捜査対象の絞り込みを行い、捜査にかかる労力や時間を削減し、早急な犯人逮捕に繋げる。それが「犯罪者プロファイリング」の役割であり目的です。

 

 

では、「犯罪者プロファイリング」を用いることで、どの程度の効果があるのでしょうか?

その具体例として、『FBI心理分析官』で述べられた事件の中から、とある猟奇殺人事件のエピソードをご紹介します。

(しばらく、ドキュメンタリー風の語り口に切り替わります)

 

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事件が起こったのは、1978年1月23日。

場所は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サクラメントという町。

 

サクラメントの郊外にある民家で、20代の妊婦が殺害された。

第一発見者は、被害者の夫。仕事から帰ってきたら、ズタズタになった妻の遺体がベッドルームに転がっていたのである。

一目見ただけで、凶悪犯罪の臭いがする事件。話は、すぐさまFBI捜査官・レスラー氏の所に回ってきた。

 

話を聞いたレスラー氏は、「連続殺人事件に発展する恐れがある」と判断し、犯人像を絞り込むプロファイリング作業にかかった。

その結果、浮かび上がってきた犯人像は、以下の通り。

 

・白人の男性で、25~27歳。
・栄養不良で、痩せ型。身なりはだらしなく、汚れている。
・犯行現場から、約1.5~2.5キロメートル程度の近距離に住居がある。一人暮らしで、親しい友人はいない。その住居は汚れ放題で、ゴミが散乱しており、そのゴミの中から犯行の証拠が見つかる。
・高校か大学を中退しており、麻薬に手を出したことがある。また、動物虐殺の経験もある。
・「犯行の記念品」として、被害者の持ち物を奪い、所持している。

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この犯人像を参考に、警察が捜査に臨んだが…残念ながら、第二の猟奇殺人が起こってしまう。

第二の事件は、最初の事件から4日後の、1978年1月27日に発生。

今度は、ひと家族が犠牲になった。

 

現場の様子は、第一の事件と酷似した部分が多く、同一犯の犯行である可能性が高かった。

ただ、今回は「犯人が現場から逃げる時に使った車」が目撃されていた。その車は、殺された被害者のもの。犯人が、車を奪って逃げたのである。

その盗難車も、後にアッサリと見つかった。犯人が車を隠した様子はなく、無造作に乗り捨ててあったのだ。

 

盗難車が見つかった場所を中心にして、警察の捜査が進む。と、間もなく一人の容疑者が浮かんできた。

容疑者の名前は、「リチャード・チェイスプロファイリングで示された犯人像と同じ、白人の若い男であった。

直近の目撃情報によれば、見た目がだらしなく、血の付いたトレーナー姿でショッピングセンターを徘徊。かつてのクラスメイトから、「先日、久しぶりにチェイスと会話した際、明らかに様子がおかしかった」との通報もあった。

チェイスの住居は、盗難車が見つかった場所から、100~200メートル程度しか離れていない。

 

リチャード・チェイスの容疑が深まり、警察官が事情聴取の為にチェイス宅へ向かった。

チェイスは、警察官から逃げようともがいたが、無駄な抵抗に終わった。

警官に取り押さえられる際、チェイスの身に着けたものの中から、決定的な証拠が見つかる。それは、「殺人に使われたと思しき拳銃」「殺された被害者が持っていた札入れ(財布)」だった。

警察官が、チェイスの家を詳しく調べたところ、多数の動かぬ証拠が発見された。これらを基に、連続殺人犯としてチェイスは逮捕された。

 

なお、「プロファイリングで浮かび上がった犯人像」と、「逮捕されたリチャード・チェイスの特徴」を比較すると、以下の様なものになる。

 

f:id:tenamaka26:20191217195638j:plain

(画像制作は筆者。無断転載禁止)

 

プロファイリングの内容が、ことごとく的中した典型例となる事件であった。

 

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この話には、背筋が寒くなるような余談がある。

 

連続殺人犯であるリチャード・チェイスの家には、カレンダーがあった。

そのカレンダーを見ると、犯行のあった1978年1月23日と1月27日のところに、「TODAY(今日)」という文字が書かれていたのだ。

そして、同じ印が、1978年12月末までの間に、44個も書かれていたのである。

 

つまり、リチャード・チェイスは…

「あと44回、同様の殺人事件を起こすつもりだった」

 

1回の事件で、複数人が殺された例もある。44回も事件が起こったとすれば、何人の命が奪われることになったのか…。

少なくとも、44人の命が奪われることを未然に防いだのは間違いない。


犯人の凶行を早期に止めたのは、「プロファイリングで犯人像が絞られた」ということ。

プロファイリングの予測に基づいて、犯人の可能性が高いところから潰していった結果、三度目の殺人事件が起こる前に犯人を逮捕できたのである。

プロファイリングの目的「捜査にかかる労力や時間を削減し、早急な犯人逮捕に繋げる」というものが、見事に達成された事件であった。


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『FBI心理分析官』の作中では、上記の様な話が多数紹介されています。

その中には、30人以上を殺した「殺人ピエロ」として知られる、有名なシリアルキラー「ジョン・ゲイシー」の名前も出てきます。

 

この手の「ダークな話」が好きな方や、「世界仰天ニュース」みたいな番組が好きな方には、ピッタリの本でしょう。 

興味を持たれた方は、この機会に是非読んでみてください。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

(注意:書籍購入・閲覧を考えていらっしゃる方へ)

筆者が所持している『FBI心理分析官』は、ハードカバーの第17版(1994年発行)です。

当時は、今ほど制限がきつくなかったからでしょうか。筆者が持っている書籍には、「遺体の白黒写真」が少々掲載されています。

古い写真で解像度は低め。グロテスクな印象は受けないものですが、苦手な方はご注意ください。

 

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