昨日、「2019年を振り返れば、吉本騒動ってのがありましたね」という記事を書かせて頂きました。
本記事は、その続きになります。
2019年中ごろに噴出した、お笑いタレント事務所「吉本興業」に関する騒動。
岡本社長のグダグダ会見の前後が、最も騒がしかったのでしょうが…現在は沈静化している模様。
いや、沈静化というか…悪い意味で、飽きられてしまったのでしょう。問題がスッキリ解決したという印象は無く、何となくモヤモヤした後味の悪さだけが残った感じです。
この騒動により、吉本興業の信用度は大幅下落したと言わざるを得ません。従業員さんも、所属タレントさんも、動きにくい日々を過ごしているだろう…とお察しします。
-------------------------------
で、当記事の本題。
それは、「前回記事の末尾で述べた話の、詳細について」です。
未だに完全解決したとは言えません。
大炎上が鎮火したワケではなく、まだ種火が残っている状態。筆者はそう考えます。
そう考える理由は、とあるベテラン芸人さんが発した言葉にありました。
そのベテラン芸人さんが、某番組で吉本騒動に触れた時のこと。
自分は騒動に直接関係ない立場であり、言いたいことを言える状況だった為でしょうか。思わず本音がポロッと出てしまい、その言葉が「あ、これはマズイ」と感じさせる内容でした。
(https://tenamaka26.hatenablog.com/entry/2019/12/12/224253より。改行・強調等は筆者によるもの。以下同)
筆者が、関西ローカルの番組を視聴していた時、上記の「某ベテラン芸人さんが放った、怪しいひとこと」が耳に入り、ちょっとビックリ。
荒っぽい言葉でもなく、長々と喋っていたわけでもない。
少し深く考えないと「怪しい」とは思えない発言だった為か、マスコミに取り上げられることもなかったのでしょう。
が、実はかなり危なっかしい発言でした。
-------------------------------
では、「発言の内容はどんなもので、なぜ怪しいと考えるのか?」について、詳細を述べていきます。
なお、某ベテラン芸人さんの実名は、あえて伏せておきます。
本人さんも、「相手を潰す発言をしてやろう」とは思っていなかったでしょうし。
また、筆者は「そのベテラン芸人さんを責めたい」というワケではありません。
ただ、「当該ベテラン芸人さんの主張」を放置すれば、似た様な騒動が再燃するだろうと考えています。
なぜそうなるのか、その理由を述べさせて頂くことで、少しでも炎上騒ぎを回避できればいいなぁ…と思う次第です。
また、同種の炎上は、吉本興業だけに起こる問題ではありません。他の芸能事務所は勿論、一般の企業でも十分起こり得るもの。
当記事を読んで下さっている読者様にとっても、決して他人事ではありません。
「自分の周囲でも、同様の騒ぎが起こるかもしれない」と思い、対策を考える切っ掛けにして貰えれば幸いです。
-------------------------------
某ベテラン芸人さんが、どんな発言をしたのか?
その内容は、「ギャラについて意見する若手」を見て、ちょっと怒った口調で放ったもの。
発言の要旨は、以下の通り。
◆一連の騒動に乗っかって、ギャラに文句を言う若手芸人が、かなり大勢いる。
◆ドサクサに紛れて放った文句に見えるので、こちらは気分が悪い。
◆そもそも、「お前、誰やねん?」という知名度の低い連中が、大声で文句を言っている。
◆そんなに不満ならば、辞めて他に行け。
いかにもベテラン芸人さんが言いそうな、キツイ内容です。
ベテランの口から出るだけあって、説得力があるのかもしれません。
しかし、騒動の背景と・上記発言内容を併せて考えた時、この発言に大きな違和感が生まれます。「ああ、このベテラン芸人さん、同じ騒動を繰り返すだろうな」という予感が湧いてきますね。
-------------------------------
そもそも、今回の吉本騒動は、
(1)吉本興業から振られる仕事・支払われるギャラだけでは、とても食っていけない若手芸人が多数いる。
(2)そういった芸人達が、仕方なく自分で仕事を取ってくる。業界では、これを「直営業(じかえいぎょう)」と呼んでおり、昔から認めてきた。
(3)しかし、事務所のチェックを通さない直営業では、仕事の選定が甘くなる。その結果、客の中に詐欺師が混じってしまった。
という所から始まっています。
(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20130831213post-3117.html)
つまり、
「吉本のマネジメントが十分に機能していなかった」
「食えない若手の存在は当然…と放置した」
という状況がトラブルの元だったということ。
某ベテラン芸人さんの発言は、この「マネジメント不足」を容認する発言なのです。
問題の原因を分析せず、「若いモンは我慢しろ」と言っているに等しい。
これでは、同じ騒動が再発します。
筆者と同様の考えは、大御所芸人・ビートたけし氏も仰っていました。
いや、言っていたというより…「テレビ番組内で、激怒していた」
www.sanspo.com(2019/7/21)
タレントのビートたけし(72)が、20日放送のTBS系「新・情報7daysニュースキャスター」(土曜後10:00)で、宮迫と亮の会見について言及した。
番組では冒頭から、約2時間半の会見を35分の映像にまとめて放送。
真剣な表情で映像を見ていたたけしは、
「あんまり言うと、放送禁止用語だらけになっちゃう」と前置きした上で、
「オレら芸人は、猿回しの猿と一緒。
猿が噛んで、猿に謝れって言ったってダメ。
飼っている人が謝るんだよ」
と持論を展開した。
(https://www.sanspo.com/geino/news/20190721/geo19072105020005-n1.html)
-------------------------------
一連の吉本騒動では、ギャラの配分やマネジメント不足に加え、「芸人さんとの契約書が無い」等のブラック話が次々と浮上。
吉本興業は、企業イメージを大きく落とし、未だに回復できたとは言い難い。
信頼回復の為には、世の中の情勢に合わせて変えるべき所と・昔ながらのやり方を守った方が良い所を、よく考えて改善しなければならない。
「昔の成功体験を、今でも通用するとしてゴリ押した結果、思わぬ問題が発生して大失敗」というものだったと痛感しなければならない。
上層部や指導者が変化せず、「自分達が上手くいったのだから、同じ事をやれば成功する」という思考を下に押し付ける。これが諸悪の根源です。
同様の問題は、吉本興業だけに発生するものではなく、どこでも起こり得るもの。用心しなければいけませんね。
-----------(記事了)-----------
【参考書籍】
『成功体験はいらない しがらみを捨てると世界の変化が見える』
【BOOK☆WALKER】(試し読みアリ)
【ebook-japan】 (試し読みアリ)
【コミックシーモア】(試し読みアリ)