トンデモ医療記事が、なかなか無くなりません。
ネット上には真偽不明の情報が溢れており、その背後には高確率で「自費診療」「高額サプリ」などの商業臭があります。
悪質な業者になれば、明らかに健康を害する品を、超高額で売りつけることもアリ。要は、顧客の健康はどうでもよく、単に金儲けが目的なのです。
この手の商売は、度々問題視されています。が、悪質業者は取り締まりをする役所から目をつけられたら姿を消し、扱う品や店の名前を変えて復活し…というパターンで商売を続けており、当局とはイタチごっこ。
それ故、いつまで経っても堂々巡りなのです。
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しかし、このままではいけない。
そう考える人々も大勢いて、新たな対策が講じられています。
本日のニュースにも、そんな話がひとつ。
www.j-cast.com(2019/11/24)
科学的根拠が不十分だとして批判を集めた「血液クレンジング療法」(オゾン療法)。
インターネット上では、こうした真偽不明の健康・医療情報が、たびたび物議をかもしながらも蔓延している。
情報発信の基盤となるデジタルプラットフォーマーも危機感を覚えており、各社は信頼性向上に向けた取り組みを進めている。
(https://www.j-cast.com/2019/11/24373301.html?p=allより。改行・強調等は筆者によるもの)
「デジタルプラットフォーマー」とは、ネットサービスの基礎となるものを提供する企業や集団のこと。
メッセージのやりとり、ブログの執筆と公開、画像の投稿、通信販売サービスの提供…などなど、ユーザーはネット上で様々な行動を起こします。
その時、情報の入力フォームを整備したり、画像投稿の場を設けたり等、行動の基礎を支えるシステムを整備し運営するのが「デジタルプラットフォーマー」と呼ばれる方々。
具体的には、Google、Amazon、Apple、Facebook、Twitterなどが該当します。
当記事を掲載させていただいている「はてな」さんの様に、ブログ設営サービスも同様。似た様な所だと、Ameba、ライブドア、Seesaa、mixi…等の名前も出てきます。
こういったプラットフォーマーさん達の中で、怪しい医療情報に対して・警戒レベルを上げる方々が増えているとのこと。
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この動き、良いものだと考えます。
怪しい医療情報が蔓延する理由は、「ストッパーやフィルターが無いから」です。
書いたもん勝ち・目を引いたもん勝ちの無法地帯で、正確性よりも奇抜さが重視されると、今の様なカオス状態になってしまいます。
カオス化を防ぎ、内容の正確性を担保するには、誰かが見張らなければなりません。
そうなると、最も適任であり・なおかつ監視能力を持つ存在といえば、「サービスを提供するプラットフォーマー自身」となります。
(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20180859220post-17060.html)
怪しい情報の流出に関し、最も悪いのは「流した者」です。言い出しっぺが最も大きな責任を負うのは当然。嘘やインチキのレベルになれば、犯罪行為として警察が動く話になります。
しかし、サービス提供者が「インチキを流したのはユーザーで、自分らは関係ない」という主張ばかりでは、それもまた問題。
書いたもん勝ちの無法地帯になっているのに、サービス提供者が見て見ぬふり…では、サービスそのものの信用度が下がります。
「あそこのサービスは、インチキ情報ばかり。利用しない方がいい」という評判が固まれば、サービス提供者・プラットフォーマーにとって死活問題。
怪しい情報に目を光らせるには、それなりのコストがかかりますが、信用には代えられません。直ぐに利益に直結しないでしょうが、長い目で見れば「情報の信頼度が高い」「正確な内容を提供してくれる」という信用・ブランドを獲得できます。これば、とてつもなく大きなパワーになります。
今やっておけば、後で大きな利潤になって返ってくるでしょう。損な話ではありません。
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筆者が考えるに、数あるプラットフォーマーの中で最も頑張って頂きたいのは「Twitter(ツイッター)」さんです。
筆者も頻繁に利用させて頂いてますが、怪しいアカウントが多過ぎますし、防衛策も甘い。
挙動が明らかにBotであり、自動的に迷惑ツイートを連投し、内容に無関係なトレンドタグを貼り、アプリ連携で他アカウントへ乗っ取りをかける…という”マルウェア”に近いものが多数。
「ミュートやブロックをかけても、検索に表示されてしまう」といった仕様も、未だ変わらず。
明らかな犯罪勧誘ツイートも野放し。違法薬物取引・犯罪行為への勧誘・詐欺の窓口…等々、素人が見ても分かる物騒なツイートだらけです。
Twitterは、今やインフラレベルで活用されているのですから、もっと厳しく管理して頂いても結構でしょう。
正確性を確保し、安全性を高めておけば、「信頼できる情報源だ」として認知されます。そうなれば、利潤が倍々ゲームで増えていくでしょう。
ユーザーとしても、安心できるところに金を入れるのは自然なこと。ちゃんとしたものを提供してくれるのであれば、ボッタクリ云々はあまり考えません。
大事なのは、サービスの中身。
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最後に生き残るのは、中身がしっかりしたものです。
中身をしっかり作るには、時間とコストが必要。
安物を投じて・目先の利益だけ追いかけている様では、後で巨大なシッペ返しを喰らいます。それまで貯めてきた利潤が吹っ飛ぶどころか、その何倍もの損害が出る可能性もアリ。
その典型例が、インチキ医療メディア「WELQ」の騒動です。あの騒動を見て、「これはマズイ。気を付けよう」と思わない方がおかしい。
後で蒼白にならない為には、早くから正確性について気を揉む必要があります。
そういう意味で、今回ニュースになった「プラットフォーマーさんの動き」は、大正解でしょう。
このまま活動を続けて頂き、より良いネット環境の構築に向かって頂きたい。筆者も微力ながら応援しておりますし、自分が書く記事に対しても、厳しい目を向けていく所存です。
--------------(記事了)--------------
【参考書籍】
『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』
【Book Live!】(試し読みアリ)
【BOOK☆WALKER】(試し読みアリ)
【ebook-japan】 (試し読みアリ)