makaran宝箱

時事ネタ・法律・エンタメなどなど、様々な話題を分かりやすく&面白く味付けしてお届け!

【小説の話?】お前は、見られている…

スマホが世に出て随分経ちます。

スマホ上で動くソフトウェア(アプリ)も多数作成され、一体いくつ存在するのか見当もつきません。数百万種類くらいは、軽く超えそうですね。

 

そんなスマホアプリの中で、異様な存在感を放つものがあります。

そのアプリは、「ダウンロード数、1億超え」と言われているもの。この数字は、「パズル&ドラゴンズパズドラ)」や「モンスターストライク(モンスト)」より上です。

しかも、運用は2019年に入ってから。開始1~2ヶ月で、既に4000万件超のダウンロードがありました。異様な数値です。

 

この化物アプリの名前は、「学習強国」

www.afpbb.com(2019/2/21)

 

この「学習強国」ですが、ゲームアプリではありません。その名の通り、学習アプリです。学ぶのは「中国共産党の思想や政策」です。中でも、習近平氏の演説や思想に関するものが多い。

こう書くと、「つまらないのでは?」「日本で言うところの”公民”を学ぶアプリ?」といった印象を受ける方が多いでしょうね。

 

その印象は、概ね正解。ゲームアプリではないので、面白味に欠けます。

しかし、それでもダウンロード数が1億超えと言われている。その理由は「半ば強制的にダウンロードさせられるから」でしょう。

 

----------------------------------

 

中国は、中国共産党が支配する独裁国家です。

その構成員(共産党員)は、約9000万人。

「学習強国」は、共産党のオススメアプリです。党が勧めるアプリをダウンロードしないままでいると、党の上司に呼び出され、指導を受けます。

ダウンロードしたかどうかは、ネットワークを調べれば分かりますので、誤魔化しが効きません。

 

また、使用状況も細かくチェックされるので、「入れただけで終わり」ではダメ。

ちゃんと勉強し、「中国共産党が指定する”正解”」を選ばないと、スコアが下がります。スコアが下がれば、呼び出しと指導が待っています。

 

逆に、中国共産党の言うとおりにアプリを使えば、ポイントが溜まっていきます。

このポイントを貯めていけば、「タブレット端末と交換できる」など、様々な特典に使えます。

アメとムチで、中国共産党の思想を学ばせるアプリ。それが「学習強国」。

 

つい先日には、とうとう「学習強国で勉強し、テストに合格しなければ、記者の資格を得られない」というルールが出来ました。

中国は、元々「言論の自由が最低レベルの国」との評判でしたが、更に不自由になってしまった感があります。

www.sankei.com(2019/9/30)

 

----------------------------------

 

更に恐ろしい事に、この「学習強国」にはウィルス並みの極悪機能が内蔵されていて、各個人のプライバシーを丸裸にし、外部から機器の操作やファイルの書き換えが可能な仕様になっている…とのこと。

jp.wsj.com(2019/10/15)

学習強国に関するドイツの報告書に添付されたオープン・テクノロジー・ファンドの分析によると、同アプリ内に見つかったコードがスマホにアクセスする「スーパーユーザー」権限を提供しており、ファイルの書き換えが可能になるほか、キーボード操作やカメラ、マイク、通話、位置情報を記録するソフトのインストールも可能になる。

 

さらに、アプリにはぜい弱な暗号ソフトが含まれており、容易に解読されかねず、電子メールや生体認証データなどが無防備になる恐れがあるという。

このため実質的に何百万人ものユーザーのメッセージやその他のデータを収集する道が開ける。

 (https://blog.hatena.ne.jp/tenamaka26/tenamaka26.hatenablog.com/edit?entry=26006613457501826より。改行・強調等は筆者によるもの)

 

 ----------------------------------

 

学習強国は、いわば「思想統制アプリ」「個人情報収集アプリ」「行動監視アプリ」です。監視社会の極み。

ディストピア小説の名作1984年」の世界が、そのまま現実になったのと同じです。

 

(提供:Amazon)

(著:ジョージ・オーウェル早川書房)

 

1984年」は、今から70年ほど前に書かれた小説です。

 冒頭をザックリ述べると…

 

 

▼物語の舞台は、「核戦争後、世界が3大勢力に分割された」という設定の、架空の1984年。

 

▼3大勢力のひとつ「オセアニア」では、奇妙な機械があちこちに設置されていた。それは「テレスクリーン」という装置。今で言うところの「壁掛けラジオ」に近いもの。

▼テレスクリーンは、双方向通信装置である。「放送局から流れてくる番組を、強制的に流す機能」と、「テレスクリーン周辺の様子をカメラで監視し、情報を集める」という二つの機能を持つ機械だ。

▼テレスクリーンから流れてくる番組は、政府が進める政策を褒めちぎる内容や、「こんな人間は、憎むべき存在」という思想宣伝ばかり。音声を完全に消す事はできないので、国民は視聴を強制されている。

▼テレスクリーン以外にも、街のアチコチに様々な監視装置が設置され、政府が国民を監視し、「思想警察」も存在する。オセアニアは、ガチガチの監視社会である。

 

▼主人公「ウィンストン・スミス」は、オセアニアの公務員である。

▼日々の生活に疑問を持ったスミスは、密かに日記をつけ始めた。

▼「密か」というのには理由がある。オセアニアでは、日記をつける事が犯罪に指定されているのだ。もし日記をつければ、最低25年以上の強制労働か、悪くすれば死刑。

▼生活を記録し・後で振り返るという行為は、「こんな生活でいいのか?」「政府の反応は矛盾しているのでは?」などの疑問を招き・増幅しかねないもの。思想統制を強める政府からは、危険視される行為であった。

 

▼その禁を破ってまで、日記をつけていく主人公・スミス。テレスクリーンに感づかれない様に、コッソリと記録を残す日々が続く。

▼そんな生活の中で、スミスは一人の女性と出会う。この出会いが、スミスの運命を大きく変えるのだが…。

 

 

上記の粗筋で、キーワードとなるのは「テレスクリーン」という機器です。

情報のやり取りができる双方向性。

テレスクリーンには、カメラやマイクが仕込まれており、周囲の様子を監視して当局に情報を提供する。

…これ、そのまんまスマホですね。

 

----------------------------------

 

中国は、明らかに支配地域を広げようとしています。

経済・軍事の双方で。

特に、ネットワークやIT関連については、既に世界のトップレベル。

「学習強国」がインストールされたスマホは、もう「テレスクリーン」と同じようなもの。

いつでも、どこでも、監視の目がある様なものです。

 

中国が、今のまま「監視路線」を強化していくと、小説「1984年」の様な世界になるでしょう。

となると、あの強烈なオチが現実のものに…。

 

正直、ゾッとします。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

↓↓『1984(新訳版)』書店リンク↓↓

 

【Amazon】

【Amazon Kindle】

【Yahoo! ショッピング】

【PayPayモール】

【楽天市場】

【楽天ブックス/楽天kobo】

 

【7net ショッピング】

【au Wowma!】

【Book Live!】

【BOOK☆WALKER】(試し読みアリ)

【ebook-japan】  (試し読みアリ)

【e-hon】

【Neowing】

 

【TSUTAYAオンライン】

【紀伊國屋書店】

【コミックシーモア】(試し読みアリ)

【総合書店 honto】

【ひかりTVブック】

【漫画全巻ドットコム】