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【災害の話】洪水で、超有名な猛毒が流れる

先日の台風被害から、1週間が経過しました。

被災地の被害は甚大で、復旧の目処が立たない地域も数多くあります。

 

www.yomiuri.co.jp(2019/10/20)

 

今回の被害では、いわゆる「タワーマンション(タワマン)」の脆弱性や、「災害物資の備蓄倉庫」が被害に遭う等、なかなか見え難かった弱点も数多く報告されています。

人々の「水害に対する考え方」が、また少し変わる予感。

 

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そんな中、筆者的には「この話は強烈だ」と驚いた被害がありました。

ニュースにもなっていましたが、メディア各社の取り上げ方がイマイチだった為か、そんなに大騒ぎにならなかった模様です。

 

その被害とは、「洪水にやられた工場から、猛毒が流出した」というもの。

その毒の名前は、「シアン化ナトリウム」です。

この名前を聞いて、ピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。なぜならば、シアン化ナトリウムは、別名で呼ばれる事が多い毒物だからです。

その別名とは「青酸ソーダ

青酸ソーダは、同じく青酸の名前を持った「青酸カリ(シアン化カリウム)」と肩を並べるレベルの、恐ろしい猛毒です。それが外部に流出したとのこと。

 

www.jiji.com(2019/10/19)

 

福島県郡山市は19日、台風19号による阿武隈川の氾濫で浸水したメッキ工場から、猛毒のシアン化ナトリウムが流出したと発表した。

側溝から排水基準(1リットル当たり0.5ミリグラム)の156倍に当たるシアン化合物を検出した。

現時点で健康被害は確認されていない。

 

16日には、付近の別の工場からも同じ毒物が流れ出たことが分かっている。

流出したのは同市富久山町福原のメッキ加工会社「サンビックス」の工場で、コンクリート基礎部分から漏れ出ていた。

流出量は不明。

基礎部分の老朽化が進んでおり、台風との因果関係は分からないという。流出は続いており、市は土のうを設置するなどの対策を講じた。側溝に流出した分については全て回収した。

 (https://www.jiji.com/jc/article?k=2019101900314&g=socより。改行・強調等は筆者によるもの)

 

上記記事によれば、少なくとも2件、毒物の流出があったとのこと。

既に流出対策が講じられ、回収できる部分は回収し、今の所は健康被害の報告は出ていません。

とりあえず、被害拡大を止められた様子ですね。そこはよかった。

 

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この「青酸ソーダ」。

人体にとっては恐ろしい猛毒ですが、工業分野ではよく目にするものです。

上記記事にもありますが、いわゆる「メッキ」に使う物質。メッキとは、「鉄などの部材表面を、薄い膜で覆う作業」のこと。部材表面を、薄い金(ゴールド)の膜で覆う「金メッキ」などが有名です。

 

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(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20141143324post-4849.html

 

メッキ作業は、日本各地・大小様々な事業所で行われているものです。

その為、メッキで使う「青酸ソーダ」は流通量も多く、入手は難しくない物質。「毒物及び劇物取締法」を始め、様々な法令で管理されてはいるものの、以外に身近な物質なのです。

そう考えると、今回の流出騒ぎは、日本のどこで起こっても不思議では無い話。他人事ではありません。

 

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この手の事故を防ぐ為に、一番頑張って貰わなければならないのは、「毒物を使っている事業者」です。

安全対策のコストはかかるかも知れませんが、人的被害が出てからでは遅い。

 

大雨や台風を原因とする水害は、年々酷くなっています。

いつ・どこで・どんな規模で水害が起こるか、分からなくて当然というレベルにまで達している…と考えた方がいいでしょう。

当記事の読者様の中に、もし「青酸ソーダを始めとする、有害物質を扱う事業者」の方がいらっしゃいましたら、この機会に管理方法を見直してみてはいかがでしょうか。

 

また、管理ルールを決める立法・行政サイドにも、制度の再確認を御願いしたいところです。

今回の流出騒ぎでは、今の所は「毒物による死傷者」が出たという話はありません。

しかし、「今後も絶対に毒物被害は出ない」と断言できません。

事業者は、安全管理の為とはいえ、コスト増大を嫌がります。嫌がる事業者を説得するのは、立法・行政サイドの仕事。

 

今すぐどうこうというのは無理かもしれませんが、実際に猛毒の流出が起きてしまった以上、聞き流すことはできないでしょう。

日本のどこで起こるか、分からない話ですから。

水害の被害者が、加害者にもなってしまう話ですから。

 

 

--------------(記事了)--------------