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【映画の話】「貧乏でも成功する作品」の特徴

世の中には、無数の映画作品があります。

多い年だと、1年で約1200本もの作品が発表されることもあり。

1955年から2018年までの統計では、劇場公開された作品は「約45000本」存在します。

(参考:「過去興行収入上位作品」一般社団法人日本映画製作者連盟

 

これだけ作品数が多いと、当然のことながら「競争」になります。

観客動員数を競い、収入を競う。

面白い作品には観客が集まりますし、続編製作・シリーズ化の話も出るでしょう。

もし続編もヒットすれば、物凄い大成功になります。

 

しかし、このハードルを超えるのは…至難の業。

 

映画業界も「資金が無限」というワケではありません。収入が期待できる作品や、有名俳優を起用する作品には巨額の資金が流れますが…。

そうではない作品には資金が流れにくく、制作費が少なくなります。

こういう「貧乏な境遇」に置かれた作品を、俗にB級映画といいます。

 

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B級映画は、とにかくカネの無い映画。

製作費の潤沢な映画を「A級」「超A級」と呼ぶならば、B級の制作費は、「A・超Aの数十分の1以下」という話は珍しくありません。

超A作品が数百億円の制作費を貰ったとしても、「B級は、10億円が関の山」となってしまう。そんな事は数多あります。

 

しかし、カネが無くてもアイデアで勝負し、周囲の予想を超える大成功を収めたB級映画も多い。

そういった映画には、かなりの共通点があります。

 

本記事では、超有名作品『エイリアン』を例に取り、「カネをかけずとも成功する映画」の本質に迫っていきます。

 

(提供:タワーレコード)

 

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『エイリアン』は、1979年公開の作品。

SFであり・ホラーでもあるという、当時にはあまり存在しなかった作風の映画です。

「当時には、あまり無い作品」ということは、馴染みの無いジャンルだということ

「馴染みが無い」ということは、期待される要素も無いということ。どんな作品になるか想像がつかないものには、お金が回りません。

それゆえ『エイリアン』は、制作費が少ないB級の扱いを受けていました。

 

しかし、『エイリアン』の製作スタッフはお金の無さを逆手に取りB級の予算で見事な映画を作り上げました。ここがポイントです。

具体的に説明すると、以下の4つになります。

 

 

◆ヒット要素1「ジャンルは、ホラーやサスペンス」

人間は、経験を重ねると、感動しにくくなる生き物です。

例えば、ラブロマンスやヒューマンドラマを見て感動しても、その手の映画を見続ければ、だんだん慣れてきて感動が薄れます。「どうせ、こんな感じなんだろ?」と思えてしまう。

 

ところが、ホラーやサスペンスは少し違います。

 

ホラーは「恐怖」がメインのジャンル。サスペンスも「殺人鬼に襲われるシーン」などが描かれ、恐怖の要素があります。

人間は、いくつになっても、怖いものは怖い。恐怖を完全に克服できる人は、そうそういません。その為、恐怖心を刺激する作品は、多くの人の心をガタガタ揺さぶります。

心を揺さぶれば、作品にのめり込んで貰えます。そうなればコッチのもの。

 

『エイリアン』は、SFホラーです。宇宙船の中に侵入してきた、獰猛な異星生物に乗組員が襲われ、ひとりずつ殺されていく…という映画。

薄暗い宇宙船の中、どこから襲い掛かってくるか分からない恐怖。こういったものは、観客を物語へと引き込みます。

 

なお、後述の「要素2~4」についても、ホラーやサスペンスであれば、違和感や不足感の無い仕上がりにすることが可能。

制作費の少ない作品にとって、うってつけのジャンルなのです。

 

 

◆ヒット要素2「出演俳優の顔ぶれと人数」

B級映画は、制作費が少ない映画。当然、出演俳優のギャラも限られてきます。有名な人は使いにくいし、大勢を出演させることも難しい。

ところが、これが「ホラーやサスペンス」になると、それらの制約が一気に長所へと変貌します。

 

もし有名な俳優が出ていると、それなりの重要キャラに据えなければならなくなります。

有名俳優のプライドもあるでしょうし、ギャラも高い。それなりの地位を与えないと揉めるでしょう。ホラーやサスペンスでは、「最後まで死なない主人公」や「犯人」あたりの重要な役にされ易い。

 

ところが、出演者が「あまり有名ではない人」ばかりであれば、その手の制約がありません。比較的自由に配役を決めることが可能です。

そうなると、「誰が最後まで生き残るか」「誰が犯人か」というところが読めない。先が読めない展開は、観客を引き付けます。

 

また、出演人数も「少ない方がいい」という話になります。

ホラーでもサスペンスでも、殺される人が多すぎると興醒め。ひとり、またひとり…と、ジワジワ話が進んでいく方が面白い。

人数が少なければ、ギャラも少なくて済みます。お金の無いB級には、ピッタリの製作手法です。

 

『エイリアン』には、そこまで有名な俳優は出演していませんでした。主演のシガニー・ウィーバーは無名。他の出演者も、有名な作品に出てはいるものの、最重要キャラになった経験はほぼ無いメンツでした。

それ故に、「役者に合わせて物語を描く」ということはしなくて済んだ。シナリオ優先で、映画を作ることが出来たのです。

また、出演者も人間7人・エイリアン1名のみで、かなり少なめ。お財布に優しい上に、恐怖を煽る人数になっていますね。

 

(提供:ホビーサーチ)

 

◆ヒット要素3「閉鎖空間」

ホラーやサスペンスの重要な要素に、「舞台は狭いほうが良い」というものがあります。

これは、「制限された空間で、だんだん逃げ場が無くなる」という恐怖感・焦燥感を煽るためのもの。

あまりに広い舞台設定だと、「どこか遠くへ逃げればいいじゃない」となり、物語の面白みが無くなります。

「もう、逃げられない」と追い詰められれば、観客はのめり込んで作品を見てくれます。

 

また、制限された空間だと、舞台セットを少なめにすることが可能です。

舞台がコロコロ変われば、それに合わせて多くのセットを用意しなければなりません。当然、お金がかかります。

制限空間であれば、お財布に優しい。

 

『エイリアン』の舞台の多くは、閉鎖された宇宙船の中。

薄暗く、鉄骨やパイプが剥き出しの殺風景な空間です。少々汚れていようが、特に気にならない。逆に、綺麗だったり・オシャレだったりすれば、恐怖感が薄れます。

無骨で殺風景な空間は、恐怖を倍増させます。

 

 

◆ヒット要素4「未開の地で、知恵を絞る」

最終的には、これが最も重要になってきます。

 

お金があっても、ヒットしない作品が存在します。

その理由は、

「カネを使って配役を豪華にしたが、ただそれだけ

「カネを使って海外ロケをやったり、セットを豪華にしたが、ただそれだけ

「カネを使って、手の込んだ特殊効果を取り入れたが、ただそれだけ

等というもの。

使ったカネが、そのまま面白さに直結するわけではないのです。「今までに見たものを、グレードアップしただけ」では、あまり面白くない。

今までに全く無かったもの、未経験のものこそ、面白いのです。

 

先ほども書きましたが、『エイリアン』は1979年公開の作品で、当時はあまり馴染みが無かったSFホラーの映画。

「馴染みが無い」ということは、期待される要素も無く、お金が集まり難い状態になり易い。

しかし、これを逆に考えると、「馴染みの無いジャンルということは、まだ未開のジャンルだ」ということです。つまり、珍しい品であるということ。

珍しい品は、アイデアひとつで「唯一無二のモノ」になります。希少価値が高い品になり易いのです。

希少価値の高い珍品が、大衆から人気を得た時は、信じられないくらいの爆発的な売れ方をします。

 

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「お金が無い」という所からスタート。

お金を増やすことは出来ないので、コストをかけなくても盛り上がるジャンルを探す。

選んだジャンルで、更に知恵を絞り、予想外の結末を描く。

…これが、低予算でもヒットする映画の条件だと考えます。

言葉にするのは簡単ですが、どれも実行するのは難しい。

それ故、低予算でヒットした映画は、いつまでも人々の心に残ります。

 

『エイリアン』は、今から40年前の作品。

しかし、未だにその名は有名であり、今見ても十分楽しめる作品です。

このクオリティの高さは、「低予算でもヒットする条件」を綺麗に満たした結果・出来上がった…という証拠ですね。

 

 

知は力なり。

お金が無くても、未開のジャンルで知恵を絞った結果、数十年を経ても色褪せない名作が生まれる。

 

これは、映画に限ったことではありませんね。

良い仕事は、カネの多寡のみで決まるものではない。

手間と心が、良し悪しを大きく左右します。

 

 

-----------------(記事了)-----------------

 

 

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