10月です。
秋本番です。
まだ残暑が厳しかったり、雨が降り易かったりしますが…真夏の暑い盛りに比べれば、かなり過ごし易くなりました。
お出かけにはピッタリの気候です。
しかし、この季節は「日本最凶の生物」が活発に活動する時期でもあります。十分に注意しなければいけません。
もし襲われたら、最悪の場合、死亡します。
実際に、日本国内では毎年2桁(数十人)の被害者が出ています。この数字、熊の被害よりも多い。
その”最凶生物”とは、世界最大級の蜂である「スズメバチ」です。
dime.jp(2019/9/7)
夏から秋にかけて増えるスズメバチの被害。
刺されて死亡する人の数は毎年約25人もおり、熊や蛇に襲われて亡くなる人よりも多い。
キイロスズメバチのように都市環境に適応して巣作りを行う種類もいて、都会での被害も増加しているという。
山歩きをしている時はもちろん、部屋の中に飛び込んで来たり、近所の空き家の軒下に巣を作っていたりなど、今のシーズンはスズメバチと遭遇する確率は意外と高い。
(https://dime.jp/genre/764512/より。改行・強調等は筆者によるもの)
刺されたことが原因で、毎年・約25人の死者が出ているそうです。
「たったそれだけ?」と思われる方がいるでしょうが、ここ10年の「熊による死者数」は、年間数人です。ゼロの年もあります。
それを考えると、「蜂は、熊の数十倍は危険だ」と言えます。
(参考:環境省HP「熊被害の速報値」https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/injury-qe.pdf)
死者数がこれだけ出ているという事は…死に至らずとも、刺されて苦しむ人はもっと多い。
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そんな危険生物であるスズメバチ。
今年も同様に、被害報告が多数出ています。
スズメバチ多数に刺されて男性死亡、伊賀:三重:中日新聞(CHUNICHI Web)
スズメバチに20人刺される~小学生と教員搬送、広島 :日本経済新聞
駆除依頼件数1・5倍スズメバチの恐怖~全身125か所以上刺され臓器不全で死亡 | 東スポ
ハチに刺されて死亡…という話で、よく聞く言葉に「アナフィラキシーショック」というものがあります。
これは、重度のアレルギー反応のこと。スズメバチの毒に限らず、他のハチの毒でも起こり得ます。体質によっては、重い意識障害や呼吸困難を起こし、死ぬこともあります。
これが、一番怖い。
(参考:【まとめて読む】ハチ刺され、命関わるショック症状:朝日新聞デジタル)
特に、スズメバチの毒は強烈で多量。そこに”攻撃的な性質”も加わり、百匹を超える集団で襲い掛かってくる可能性すらあり。
「アナフィラキシーショックに至る前に、刺されまくって死亡した」という、恐ろしい話もあります。
また、スズメバチに関しては、以下の物騒な話も聞きます。
◆毒針が大きいので、防護服の強度が十分でない場合は、防ぎきれないこともある。
◆「一度刺したら、針が抜けて終わり」ではなく、何度でも繰り返し刺せる。
◆毒針を刺さずとも、針先から毒を飛ばして吹きかけることが可能。
◆吹きかけられた毒が「攻撃目標のマーキング」になるので、大量のスズメバチが一斉に襲い掛かってくることもある。
◆毒が目に入ると、失明の危険がある。
この攻撃性。完全に武闘派の昆虫。近寄るな危険…ですね。
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スズメバチによる被害に遭わない為には、熊と同じく「そもそも、近寄らないこと」が一番です。
しかし、スズメバチは熊ほど大きくない。種類によっては、地中などの目立たない所に巣を作ることがあり、「気付かずに近寄って襲われた」という話もあります。
また、近年は人家・都市部に進出してくる種も多く、遭遇の危険性は増す一方。
この様な状況下で、「絶対に襲われない方法」は…ちょっと思いつかないですね。
しかし、襲われる可能性を下げることはできます。
例えば…
◎「香水や柔軟剤の匂い」を、攻撃目標にするスズメバチは多い。そういった匂いを減らすことが重要。
◎巣に近寄ってしまった場合、見張りのハチが警告音を出すことがある。アゴを擦り合わせて出す「カチッ」「パチッ」という音で、これを無視して近付けば攻撃してくる。もし音が聞こえて、危険だと思ったら、その場から静かに立ち去ること。
◎服装は、長袖・長ズボンなどの「肌を覆う服装」にした方が良い。また、黒系を避け、白系の衣服を身につけた方がよい。スズメバチは、黒を始めとする「濃い色」に反応する性質があるので、刺激する色は避けた方が無難。
◎同じ理由で、髪の毛に反応する事もある。「頭を守る防具」という意味でも、帽子を被った方がいい。
◎飲食物の管理や、ゴミの始末はしっかりと行う。特に「甘いジュースの入った容器」は要注意。甘い液体はスズメバチの好物。中身を残したまま放置しておくと、匂いに釣られて寄って来る。
◎洗濯物に張り付いていることがあるので、取り入れる時は注意する。
◎人家に巣を作る種類もいる。分かりやすい所(のき下など)ばかりではなく、目立たない床下などにも巣を作る。もし見つけたら、安易に近付かないこと。
◎ハチは、振動に敏感。巣に触れたり、巣の近くをドタバタ走り回ったりすると、攻撃されたと判断して襲い掛かってくる。そういう行動は慎むこと。
◎巣を駆除する場合は、できれば専門家に頼んだ方が良い。
◎自治体によっては、駆除そのものをやってくれる所があったり、防護服を貸し出してくれる所もある。全ての自治体がサービスを提供してくれるわけではないが、自費で専門家に依頼する前に、役所に問い合わせてみるのも手である。
(参考1:ハチを知る|害虫を知る|アース害虫駆除なんでも事典)
(参考2:”カチカチカチ…”音に注意!スズメバチの生態・対策・予防策・対処法|YAMA HACK)
(参考3:野外でハチに刺されないための注意|豊島区公式ホームページ)
(参考4:京都市:ハチに関すること)
(参考5:蜂刺され災害を防ごう:林野庁)
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スズメバチによる被害が拡大する時期は、9月から10月あたり。
その理由は、「9~10月は”次世代の女王を送り出す大切な時期”であり、巣全体の緊張が高まってピリピリしている為」と言われています。
今が、一番危険。
ハイキングやキャンプ等、野外活動をする際には十分に注意しましょう。
相手は野生生物。手加減をしてくれません。
--------------(記事了)--------------
【参考書籍】
『超危険!スズメバチLIFE 図解とマンガでわかる最凶生物』
【Book Live!】(試し読みアリ)
【BOOK☆WALKER】(試し読みアリ)
【ebook-japan】 (試し読みアリ)