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【昭和特撮の話】第四惑星の悪夢(その3 ディープ考察編:後半)

先日から、特撮作品ウルトラセブンについて、記事を書かせて頂いてます。

取り上げたエピソードは、「第四惑星の悪夢」という話。

 

tenamaka26.hatenablog.com

 

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「第四惑星の悪夢」で描かれたテーマは、「AI(人工知能)による、人類の奴隷化」

「ロボット・AIに頼りすぎる社会は、危険である」という主張を前面に出したエピソードです。

 

しかし、このエピソードには矛盾が多数存在。

それらを拾い、繋ぎ合せて考えてみると、ちょっと変わった形の解釈が可能になります。

前回記事では、その「変わった解釈」「筆者なりの考察」について、サラっと説明した所で終わりました。

 

今回は、その考察内容を詳しく紹介し、根拠・理由を述べていきます。「第四惑星の悪夢」のディープな楽しみ方を提案する記事の、最終回です。

ちょっと長めの文章になりますが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

 

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なお、この手の記事に関して、毎度の事ながら注意を。

 

本記事は「第四惑星の悪夢」に関し、かなりのネタバレを含みます。

「既に作品を観賞し、オチを知っている」「その上で、更なる別解釈を楽しみたい」という方に向けた記事になります。

ご理解頂いた上で、記事を楽しんでください。

 

以下には、「下向きの矢印」が、20個表記されています。

矢印の羅列が終わった所から、ネタバレを含む記述が始まります。

 

↓5

↓10

↓15

↓20

 

では、筆者の考える新解釈について、その根拠を述べていきます。

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記事冒頭でも述べましたが、「第四惑星の悪夢」は「ロボット・AI社会に対する警告」を含んだエピソードです。

 

多くの方は、

警告の象徴は、第四惑星を支配しているロボット軍団と、それに従わざるを得ない人間

という構図を思い浮かべるでしょう。

「機械に頼りすぎると、そのうち機械に支配されるぞ!」というメッセージを伝えるには、ピッタリの構図です。

 

 

しかし、筆者の見方・解釈は違います。

それは、

◆「ロボット・AI社会に対する警告」の象徴は、モロボシとソガが乗り込んだスコーピオン号」である

◆「第四惑星」は存在せず、2人が同時に見た夢だった

というもの。

 

なぜそういう解釈が成り立つのか?

以下に理由を述べていきます。その数は6つ。

 

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(理由1)宇宙船「スコーピオン号」のテスト目的が、曖昧である

スコーピオン号は、AIで制御される宇宙船です。(当時は「電子計算機」と呼んでいた)

テスト飛行の目的が「有人飛行の検証」「長距離航海用コールドスリープ装置の試験」という点は明白。
しかし、目的地については全く解説がありません。

又、モロボシとソガが帰還した時に、上司が「予定コースからは外れたが、テストは成功した」的なセリフを言っています。

 

これらの設定から考えるに、スコーピオン号のテスト航海は

コールドスリープ機能が働き、乗員が生存できるか」

が主な検証点で、「宇宙船の航行を制御できる」というものは二の次である…と思われます。

そうでなければ、予定コースから外れ、その原因もよく分からないのに「成功」と言えるハズがありません。

 

つまり、
「モロボシとソガは、ずっと眠ったままだった
「第四惑星は、コールドスリープ中に2人が見た夢だった」
と解釈するのが自然です。

 

 

 

(理由2)第四惑星のロボット長官が、スコーピオン号を呼び寄せる意味が無い

仮に「第四惑星」が実在したとして、モロボシとソガを惑星に呼び寄せる意味がありません。「なぜ呼び寄せたのか」について、明確な説明もありません。

 

第四惑星は地球侵攻を計画していますが、目的は「今後不足するであろう”人間の奴隷”を、地球人で補充する」というもの。

その話をする為だけに、モロボシとソガの乗ったスコーピオン号を呼び寄せたとすれば…何が目的だったのか意味不明です。

「2人を人質にして地球と交渉する」という話なら理解できますが、そんな素振りは一切無し。自慢気に第四惑星の話をして終わり。ロボット長官の狙いが分からない。

2人を呼んで侵攻計画を暴露することは、敵に向かって「今から攻め込みますよ~」「用心して下さいね~」と言う様なもの。人間に取って代わった高性能AIが、そんなヘマをやるとは思えない。全く説明がつきません。

 

そうすると、先述の「コールドスリープ試験」の話とも絡み、やはり夢だった…という解釈になってしまいます。

 

 

 

(理由3)ソガの負傷が消えている

エピソードの最終局面で、「モロボシ&ソガ」vs「ロボット軍団」で銃撃戦になり、ソガがピストルで撃たれて負傷します。

しかし、地球に帰還した後、傷の話が全く出て来ない。

 

「夢だったんじゃないの?」と軽くあしらう同僚に向かって、「これが証拠だ!」と銃で撃たれた傷を見せればいいハズなのに、全く話に出さないソガ。おかしいですね…。

 

これも「コールドスリープ試験中の夢」と解釈すれば、説明がついてしまいます。

夢の中の怪我ならば、現実世界の肉体に影響ありません。

 

 

 

(理由4)モロボシが、ソガの目の前でセブンに変身

銃撃戦でソガが撃たれた直後、ソガの目の前で、モロボシはウルトラセブンに変身。巨大化し、ロボット軍団を殲滅します。

 

ソガの負傷は「腕を撃たれた程度のもの」であり、瀕死ではありません。目の前でモロボシが変身すれば、さすがに正体がバレるでしょう。その辺り、全く気にする様子が無いソガ。

ちょっと現実離れした状況ですね。

 

(提供:ホビーサーチ)

 

また、モロボシが変身したのは、体育館くらいの建物の中。

巨大化したセブンが天井を突き破り、建物はバラバラになりました。あれでは、ソガは瓦礫に埋もれてしまいます。良くて生き埋め、悪くて即死。

しかし、ソガはピンピンしています。これらについても「夢の世界の出来事だった」という説明がシックリ来ます。

 

 

 

(理由5)スコーピオン号に残っているはずの、航海データに言及しない

スコーピオン号は、AIで制御される宇宙船です。

しかも、今回はテスト飛行。自動で航海記録を残すことは十分可能であり、なおかつ絶対条件でしょう。記録を残さないテスト飛行は、やる意味がありません。

しかし、誰もそのことに言及しない。

 

モロボシとソガも、「記録を見せろ」と言えばハッキリする話なのに、「あれは…夢じゃなかったんだ」としか言わない。これは明らかにおかしい。

恐らく、「第四惑星に行った」という記録が残っていなかったのでしょう。

 

つまり、夢の中の出来事であり・現実に第四惑星に行ったわけじゃないので、記録が無かった…という話になります。

 

 

 

(理由6)第四惑星を支配するAIの性能が、いろいろ怪しい

第四惑星を支配するのは、約2000年前に人間に取って代わったAIとロボット。

支配される側の人間は、AIとロボットに怯え、ただただ従うばかり。反乱を起こす素振りはゼロ。

この光景から考えて、AIが敷いた支配体制は頑強であり、体制を構築して2000年も維持する統治能力を持っていることになります。

しかし、そこまで高い能力を持っているのに、「人間が絶滅してしまうから、地球人を拉致しましょう」と考えるのは…ちょっと変です。

 

劇中では、人間はまだまだ大勢いて、絶滅危惧種には見えません。

団地に住み、老若男女のバランスがそこそこ取れていて、「第四惑星の人間を、計画的に繁殖させる」というプランで何とかなるレベル。

2000年も続く支配体制は構築できるのに、生物の保護ができないAI。アンバランスです。

 

「実は夢でした」となれば、AIの微妙な性能にも納得できるのですが…。

 

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この様に、「作中で数々の矛盾が生じたのは、コールドスリープ中にモロボシとソガが見た夢だったから」と解釈すれば、説明がついてしまいます。

とすると、最大の謎が発生。

 

「なぜ2人は、同じ夢を見たのか?」

 

実は、この謎に対しても、それなりにスジの通った解釈ができます。

 

先ず、解釈のポイントとして、以下の2項目を挙げておきます。

(1)スコーピオン号のコールドスリープは、「操縦席のリクライニングシートを倒して、寝るだけ」というもの。
他SF作品によくある「チューブや配線で繋がれる」という描写はゼロ。

(2)「スコーピオン号が、予定コースから外れた」「原因不明」という台詞から考えて、スコーピオン号のAIは、いまいち信用できない。

 

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では、上記(1)から説明します。

 

コールドスリープ(冷凍睡眠)は、「人間の生命活動を極限まで抑え込んで、仮死状態にするもの」です。

仮死状態にするということは、一歩間違えば本当に死んでしまうということ。そうならない為に、眠っている者の心電図・血圧・脳波などを監視するのが普通です。

監視中に異常があれば、調整用の薬剤を投与する等、安全に眠り続ける為の作業がなされます。

 

スコーピオン号のコールドスリープでも、同様の監視・作業が行われていたとしましょう。

しかし、劇中の様子から察するに、「測定用の電極パッド」「薬剤投与用のチューブ」といったモノは、モロボシとソガに付けられていません。

そうなると、「ワイヤレス方式で監視していた」という考えに至ります。いわゆる「無線LAN」「WiFi」の発展版みたいなもの。

 

ウルトラセブンの世界では、テクノロジーが異様に発達している部分が多い。「ワイヤレスの生命監視・維持技術」があったとしても、別に不思議ではありません。

 

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次に(2)の説明をば。

 

AI制御の最新鋭宇宙船「スコーピオン号」ですが、「予定コースから外れた」「原因不明」と明言されています。

つまり、スコーピオン号のAIは、「実はアテにならない、ポンコツAIだった」という結論に。

 

コールドスリープについても、AIで管理しているハズです。

で、そのAIがポンコツだった。

「コース制御と同様、コールドスリープの管理も怪しい」となっても、違和感は無し。

 

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(1)コールドスリープの管理は、ワイヤレス方式。

(2)スコーピオン号のAIは、ポンコツ

この2つから導き出される結論は、

 

コールドスリープの管理が、うまくいかなかった」

「ワイヤレスで脳波等を監視・制御しているが、トラブルが生じた」
「その為、
モロボシとソガの意識が混線・リンクしてしまい、2人は同じ夢を見た」

 

つまり、「意図せずVR世界(バーチャル・リアリティ)に放り込まれてしまった」という解釈ができるのです。

有名映画マトリックスの世界観に、よく似ています。

 

(提供:楽天

 

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長くなりましたが、結論を。

 

当記事の主張は、

◆「ロボット・AI社会に対する警告」の象徴は、スコーピオン号」である

というものでした。

そう言えるのは何故か?…について、本文で詳しく述べたつもりです。

 

つまり

「最新鋭のハズなのに、実はAIがポンコツだった」

「そのポンコツAIが制御する宇宙船に、ポンコツとは知らぬまま、生きている人間を乗せた」

コールドスリープ機能に問題があり、副作用で記憶の書き換えが起こった」

「スタッフが、副作用の存在に気付いていない」

「それでも”テストは成功”とされているので、ポンコツAIをポンコツだと認識しないまま、開発が進むことになる」

 

この流れで、ポンコツAIに人の命を任せ続けることになっていきます。

 

人間が、ポンコツAIだと気付かないことが…かなり怖い。

AI自身に、問題の発見・検証・報告・記録の各能力が無さそうなのも、物凄く怖い話です。

 

今回の話だと、コールドスリープに失敗し、死者が出た」くらいの話にならない限り、本格的な検証は行われない気がします。

検証が行われる頃には、ポンコツAIの普及が進んでいる恐れもあります。

いろいろ手遅れになっているかも知れませんね。

 

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当記事が取り上げたエピソードは、『ウルトラセブン』の中の「第四惑星の悪夢」という話。

題名に「悪夢」の文字があります。

 

コールドスリープ中に見た「悪夢」と、AIの欠陥に気付かないままで開発を続ける「悪夢」。

この両方の意味がある様に思える、そんな別解釈でした。

 

 

長文を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。

 

 

------------------(記事了)------------------

 

 

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