先日から、『帰ってきたウルトラマン』について、記事を書かせて頂いております。
『帰ってきたウルトラマン』に登場するのは、「ウルトラマンジャック」という名のウルトラ超人です。
彼は、色々と不憫な扱いを受けたり、敵からイヤラシイ精神攻撃を受けたり、歴代のウルトラシリーズの中でも「かなり気の毒なウルトラ超人」として有名な方。
彼は、その気の毒な立ち位置にも関わらず、必死で頑張って「地球を狙う勢力」と戦い続けます。
しかし、どうしても”気の毒属性”から抜け切れないのでしょう。強い敵が、やたらと出てきます。つまり、ピンチに陥りやすい。
(上画像:ウルトラマンジャック)
そんな強敵だらけの『帰ってきたウルトラマン』の中から、当記事では「最もガチの部類に入る、屈指の強敵が現れたエピソード」について御紹介します。
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その敵の名前は、「ナックル星人」という宇宙人。
ナックル星人の目的は、最終的には地球を手に入れることなのですが、そこに至るまでの作戦が綿密。
(上画像:ナックル星人)
ウルトラシリーズに出てくる侵略宇宙人は、多くが単独行動です。
しかし、ナックル星人は国家規模で作戦を練り、部隊毎に役割分担をした上で、時間をかけて侵略の下地を作るところから始めます。
ガチで地球を奪いにきた、本格的な侵略者です。
ナックル星人の地球侵攻プランは、以下の通り。
(注意:筆者の独自表現多めです)
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本作戦の主目的:地球の征服
進行方法:先ずは「特殊先行工作部隊」を派遣し、初期任務に就かせる。
初期任務は、いくつかの要素に分かれており、各カテゴリを同時進行させる事で、作戦の成功率を高める。
初期任務完了後、本星から大規模艦隊を派遣し、短期間で制圧を完了する。
<第1要素>敵戦力の分析と、対抗兵器の開発
目的:ウルトラマンの戦闘パターンを徹底的に調査・分析し、対抗兵器を作成。
(1)かつてウルトラマンが倒した怪獣を、リサイクルして投入。ウルトラマンと戦わせる。
(2)過去に退治された怪獣であり、リサイクル品なので、まず間違いなくウルトラマンは勝つであろう。が、それで問題ない。目的は「実戦データ収集」である。寧ろ、必殺技をバシバシ喰らって派手に負けた方が、取れるデータは多いと思われる。
(3)その戦闘データを基に、対ウルトラマン戦に特化した生物兵器(怪獣)を製作し、特殊訓練を施す。兵器のコードネームは「ブラックキング」とする。
ブラックキングに求められる最低条件は、「スペシウム光線の無効化」である。
(上画像:ブラックキング)
<第2要素>敵・心理状況の撹乱
目的:ウルトラマンの精神面を攻撃し、混乱を誘う。
(1)ウルトラマンは、地球人の身体を借りている。その地球人の名は「郷秀樹(ごう・ひでき)」である。郷秀樹の精神状況は、ウルトラマン変身した後の思考にも影響するという調査結果がある。
(2)郷には身寄りが無く、坂田三兄弟という”家族同然の付き合い”をしている一家がある。この一家を誘拐・または殺害する事で、郷の精神状態を悪化させる。
(3)最も襲い易いのは、妹の「坂田アキ」。彼女を車で連れ去り、状況に応じて利用する。抵抗された場合は、殺害も可。なお、妹を助けに来た者がいれば、その者も状況に応じて処理してよい。
(4)行動の際、「ナックル星人の仕業」である事を、それとなく相手に知らせる。そうする事で、こちらに対する憎悪を持たせ、冷静な判断力の欠如を促す。
<第3要素>防衛組織への対処
目的:ウルトラマンを援護する地球防衛組織「MAT」を無力化する。
(1)MAT基地の所在は判明しているので、基地に特殊な電磁波を放射し、機能を麻痺させる。その為に、大型装置の建設が必要であるが、対外的には「研究所」として警戒されないようにする。その研究所を「工作部隊の潜伏先」としても使用する。
(2)MAT隊員を洗脳し、コントロールする為のインプラントを製造。特殊な手術等をしなくても、首に刺すだけで操作可能となる様に、小型軽量化を必須とする。
<第4要素>戦闘時間の選択
目的:ウルトラマンのエネルギー源を弱める。
(1)ウルトラマンのエネルギー源は、太陽光線である。その為、太陽光の少ない時間帯での戦闘が望ましい。最も理想的なのは、夜間である。
(2) しかし、ウルトラマンも同じ事を考え、夜間戦闘は可能な限り避けると思われる。そこで、日没間際の時間帯を選択し、夜間ほどの警戒感を持たれない様にする。
(3)日没時間から逆算し、戦闘スケジュールを組んでおく。
<第5要素(最終段階)>戦闘とプロパガンダ
(1)要素1~4の目的が達成された後に、ウルトラマンと直接戦闘を開始する。
(2)戦闘には、対ウルトラマン用生物兵器「ブラックキング」を投入する。が、特殊先行工作部隊メンバーにも巨大化できる者が存在するので、その者も戦闘に参加すること。
(3)ウルトラマンは、生きたまま捕獲するのが望ましい。その状態で拘束し、ウルトラマンの敗北を地球人にアピールする。以って地球人の士気を低下させ、継戦能力を消失させる。
(4)アピール終了後、ウルトラマンの四肢を始め、身体各部を切断して殺害。
以上で初期任務は完了。本星からの大規模艦隊の到着を待ち、本格的な制圧を開始する。
主だった抵抗勢力は排除済みであり、地球人の厭戦感も高まっている筈なので、比較的容易に制圧が完了すると思われる。
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ここまでガチの作戦を立て、各方面で同時進行させるナックル星人。
他の侵略者が考える「子どもを虫歯にさせる」とか「パンダを盗んで民衆をガッカリさせる」等といった作戦とは、雲泥の差です。
なお、本作戦の結果について、ここでは述べません。(激しいネタバレは、マナー違反の為)
ひとつだけ言えるのは、「50年近く前の特撮ドラマなのに、普通にのめり込んで視聴できる」ということ。
ナックル星人のエピソードは、第37話「ウルトラマン 夕陽に死す」と、第38話「ウルトラの星 光る時」の2話です。
興味を持って頂いた方は、この機会に是非ご覧下さい。
----------(記事了)----------
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