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【転売ヤーの話】 借虎威

ネット関連の嫌なニュースで、たまに見る単語に「転売屋」というものがあります。

揶揄した表現で、「転売厨」「転売ヤーと言う人もチラホラ。

 

要は、「安く仕入れたものを、高く売る」という、商売の基本をやっている方々なのですが…。

揶揄される、つまり「馬鹿にされたり、からかわれたりする」という事は、良くない側面があるという事ですね。

 

その”良くない側面”とは、

「強引に買占め、不当な高値で売る」

「品質管理が雑」

「購入後のアフターケアが貧弱。場合によっては皆無」

等々、消費者にとって迷惑なものばかり。

消費者からだけではなく、時には生産・販売者からも「迷惑だ。やめてくれ」と注意される。それが転売ヤーです。

酷い場合は、店のルールに従わずに大量購入しようとし、「売れません」と店が断ると暴れる…といった”犯罪ド真ん中の行動”に出る輩もいます。

 

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そんな転売ヤーに関し、また新しい話がひとつ。

今回は、生産販売者から怒りの声が出ています。

怒りの主は、東京の和菓子屋さん。1922年創業の老舗店「木挽町よしや」さんです。

 

www.j-cast.com(2019/7/1)

 

nlab.itmedia.co.jp(2019/6/29)

 

上記2記事の内容を簡潔に述べると、以下の様なものになります。

 

 

■2019年6月末。老舗和菓子店「木挽町よしや」の公式ツイッターアカウントから、注意喚起のツイートが。そのツイートに万単位のリツイートが発生。大きく拡散された。

■注意の内容は、「よしや製のどら焼きが、ネット通販大手・Amazonで勝手に販売されている」というもの。しかも、通常700円の品を・5000円で販売という超ボッタクリ価格

 

■ボッタクリ出品者は、「プレミアムギフト表参道店」という、正体不明の者。名前だけは立派だが、実店舗の情報が無く、Amazon内のみの存在だと思われる。

■そもそも、よしやさんはネット通販をせず、転売も許可せず、品質管理が怪しい販売ルートに乗せる気も無い。そこに通常価格の7倍のボッタクリ転売が。激しく憤るよしやさん。

■よしやさんが、事情をAmazonに伝えたところ、1日程度で出品情報は削除。しかし、Amazon側は「プレミアムギフト表参道店」の詳細情報開示を拒否。理由は「プライバシー保護」等。

■その後、転売ヤーの姿は消えた。

 

f:id:tenamaka26:20190704223115j:plain

(どら焼きのイメージ画像。よしやさんとは無関係ですhttps://www.pakutaso.com/20110438120post-51.html

 

Amazonには、「売主が品物を発送する際は、Amazonに登録した住所(発送元)を明示しなければならない」というルールがあるそうで。

「このルールを利用すれば、転売ヤーの手掛かりを掴めるかも?」と考えたよしやさんは、自ら転売ヤーに注文します。

その後、商品の到着を待っていたよしやさんですが…結果は以下の通り。

 

 

詳細は不明ですが、Amazon内部で、何らかの処理がなされた模様。

「代金は、商品発送時に、出品者へ支払われる」との事。今回は発送されていない為、転売ヤーは儲けゼロ。

 

この騒動の後、よしやさんは「転売禁止」「ネット販売やってません」と明示する様になりましたが…。

今回の話を教訓に、Amazon本体が率先して、悪質出品者を厳しく排除すべきです。

転売ヤーが悪い。Amazonは事情を知らないから無罪」で、いつまでも通るとは思えませんし、通してはならない。

同じ事は、同業他社にも言えます。

 

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ネットの発達に伴い、転売ヤーは増加の一途。そんな連中を指して、

「金払ってるんだし、仕入れたモノを高く売るのは許される」

「流通業は、みんな転売ヤーだろ」

こう言う人が多いですが、責任問題について全く考えていません。

 

「正規の契約を交わし、顔が見える業者との取引」と、「どこの誰かも分からない、契約も何も無い転売ヤー」では、管理能力やトレーサビリティ(販売情報の追跡能力)に大きな差があります。

また、正規業者には「トラブル解決能力」が期待できます。トラブルが発生しても、製造元に連絡を取ったり、適切な行動を促したりする能力を持っています。

転売ヤーは、そういう能力ゼロ。

 

しかも、今回の話は「どら焼き」の話。食品の話です。

扱いが悪ければ、簡単に食中毒を起こす品物。

もしそうなった場合、確実に炎上案件になります。原因の転売ヤーは雲隠れ。矛先は、事情を知らない製造元へ行くでしょう。

事件が起これば、発生の経緯に関係なく、目立つ者が袋叩きに遭い易いネット社会。製造元には責任が無くとも、商売上の信用は落ちるでしょう。店にとっては死活問題。

そういった状況を考えると、無責任な転売ヤーは害悪でしかありません。

 

また、安易に転売ヤーの存在を許すと、「注文したが、気が変わった」とか「転売に失敗した」等の理由で、突然の大量キャンセルも可能。トラブル発生率が極端に上昇します。

加えて、転売ヤーである事を隠し、ライバル会社の品を大量に仕入れ、劣悪な状態で転売して事件化し、ライバル会社の評判を落とす」という破壊工作をやり易くなります。

もしそうなれば、業務妨害の可能性アリ。犯罪の臭いがプンプン。

 

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今回のケースで、どら焼きの販売網に加わりたければ、「製造元と交渉し、正式な契約を交わす」か、「製造元が許可を出している方法で転売する」のどちらかを選択する必要アリ。(後者は、あまり見ない光景ですが)

 

どちらも嫌なら、自らが良品の製造元になるしかありません。*1

 

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商売は信用第一。

信用を得るには、かなりの努力が必要です。

努力が実れば、信用ある看板や名前を手に入れる事ができます。

転売ヤーがやっている事は、その看板を横取りする事。「なりすまし」に限りなく近い、悪質行為です。

いわゆる「虎の威を借る狐」ですね。

 

転売ヤーが嫌われるのは、価格設定が異様に乱暴で、顧客・商品・取引業者に対して無責任であるから。

逆に考えると、設定価格が適正で、顧客・商品・取引業者に対する責任を重んじる人は、転売ヤーとは呼ばれません。

そこを目指せばいい。

 

そういう人物になる事は、かなり難しいですが…やって出来ない事は無い。

最終的に生き残るのは、そういう人々です。「なりすまし」は、長持ちしない。

 

-----------(記事了)-----------

 

*1:なお、食品販売には「保健所の営業許可」等が必要となる場合があります。違反時には罰則もあり得る。品物や営業形態によって規定は様々。よく分からない人は、地域の保健所に問い合わせましょう。