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【芸能の話】 「お笑い芸人」と「お笑いタレント」の、近くて遠い距離感

ここ最近、やたら世間で騒がれている、いわゆる「闇営業」問題。

雨上がり決死隊宮迫博之氏や、ロンドンブーツ1号2号田村亮氏を始め、何人ものお笑いタレントが関わった話です。

 

関わったタレントは軒並み謹慎。既に収録した番組は編集され、姿を消される。仕事が次々に白紙化となり、莫大な違約金が発生。

どこまで行くのか、先が見えません。

 

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一方、「捨てる神あれば拾う神あり」と言いましょうか。宮迫氏サイドを擁護する声もあります。

その筆頭と思われるのは、爆笑問題太田光氏。

www.sponichi.co.jp(2019/7/7)

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光(54)が7日、TBS「サンデー・ジャポン」(日曜前9・54)に生出演。収束の兆しが見えない“闇営業問題”について、改めて自身の見解を述べた。

 

太田は、6月25日深夜放送の同局ラジオ「爆笑問題カーボーイ」(火曜深夜1・00)で、謹慎処分となった「雨上がり決死隊」の宮迫博之(49)らに対する報道や、ネット上での過度な他人叩きに対し「こっちの方が闇社会」と語っていた。

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/07/07/kiji/20190707s00041000222000c.htmlより。改行等は筆者によるもの)

 

筆者は、上記引用にもある深夜ラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」を、割と頻繁に拝聴しています。

太田氏は、折りに触れて「闇営業騒動」を話題として取り上げ、怒りながらも宮迫氏を擁護しています。

その主張内容は、

 

「宮迫が嘘ついたり、脱税の疑いを持たれる行為をしたのは悪い」

「しかし、宮迫も”相手が詐欺師”と知って行ったわけじゃない」

「普段から詐欺師との付き合いがあったのではなく、1回イベントに出ただけ」

「ここまで叩く世間の方が、よっぽど闇だ」

 

というもの。

 

言いたい事は分かりますし、それなりに筋も通っています。

一緒に仕事をした事もあるでしょうし、庇いたい気持ちもあるでしょう。

 

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ただ、この問題は非常に多くの要素を含んでおり、容易に白黒つけて済む話じゃ無くなっています。

ちょっと考えただけでも、以下の点について議論の余地アリ。

 

●詐欺師主催のイベントに出たタレント達(以下「イベ出演者」と表記)が、口を揃えて「ギャラは貰っていない」と嘘をついた。そうなった背景は?

イベ出演者が嘘をついた相手は、世間一般は勿論、身内のタレントも含まれる。身内の方々は、その嘘に乗っかって擁護してしまった。嘘ついた側は、どう考えるのか?

●宮迫氏については、特に批判が強烈。というのも、前に不倫騒動が持ち上がった時、問いに対して「オフホワイト」という分かりにくい表現で誤魔化した前科がある為。「今度もまた逃げるのか?」という風に考えられ、余計に反発を喰らってしまう状況。

 

●反社会勢力は、見た目でハッキリ分かる人ばかりではない。どうやって見分けるのか? その方法が謎。

●事務所を通さない営業は「直営業」と称されるが、領収書の有無が不明。もし無ければ、イベ出演者に対して脱税疑惑が持ち上がる。

●所属事務所である「吉本興業」の杜撰さも、イベ出演者と同等か・それ以上に問題視されている。所属している者との契約書が無いとか、イベ出演者の証言を鵜呑みにしたとか、反社会勢力との関わりを絶つと宣言したのにどうなってるの?…等々。

イベ出演者が関わる番組やCMは多い。事件の影響で、差し替えや再編集に追われる放送局等が多数。そちらに対する補償の問題もあり、視聴者の不満に対する釈明も必要。

 

●スッパ抜いた雑誌社にも疑問の声が。「詐欺集団の主張ばかり、鵜呑みにしている」という指摘アリ。

 

…ほんのちょっと考えただけでも、これだけ騒ぎのネタがあります。

要は、イベ出演者の個人的な問題では無くなっているのです。

所属事務所はおろか、業界全体の仕組み・体質を疑問視される状況になっている。

 

爆笑問題太田光氏を始め、イベ出演者に近しい人々が頑張って庇っても、かなり回復が難しい状況に。救いのある解決策は、当分出てきそうにありません。

 

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こういった騒ぎを見る度に思うのは、「お笑い芸人」「お笑いタレント」の大きな差です。

この両者は、似て非なるもの。お笑いに限らず、「○○タレント」と称される方々には付きモノの光景です。

 

純粋な「お笑い芸人」ならば、面白いステージをこなす職人芸があれば、お客さんは見に来るでしょう。実際に、そういう方は沢山いらっしゃいます。

テレビに出なくなったからダメ…という訳ではなく、純粋にお笑いとしての芸を磨き・ステージに立って笑いを取れば、お客さんは付いてくれる。そういう事はある。

 

しかし、「お笑い芸人」から「お笑いタレント」になると、意味合いが全く違ってきます。

「お笑い芸人」は、面白い事を披露して客を楽しませる”職人”さん。

「お笑いタレント」は、お笑いを通して有名になった人であり、知名度を活かしたイメージ商売をやる人です。

 

イメージ商売をしている人には、宣伝するものに別方向からのイメージをつけ、お客さん(消費者)を錯覚させる事が求められます。

「この人の芸は面白い」→「面白い人が宣伝する品だから、良いものだろう」→「使った事無いけれど、良さそうに見えるから買う」という思考回路を客に与える。それがイメージ商売。

↓仕掛ける側の心の底には、こういう考えがあるでしょう↓

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イメージは、客が勝手に抱くものです。

それが「良いイメージ」でも「悪いイメージ」でも、抱くのはお客の勝手。

客に悪いイメージを持たれた時点で、イメージ商売タレントは窮地に立たされてしまいます。これは、イメージ商売の避けられないリスク。

 

そういうリスクが嫌であれば、「お笑い芸人」のままでいればいい。

しかし、「芸人」と「タレント」の活動の幅は違いますし、集客力や影響力も違います。多くの場合は、「タレント」の方が勝っています。

要は、「タレントになれば、収益力が増加する」「純粋な芸人より、タレントの方が大儲けできる」という事。

リスクと収益可能性は、表裏一体のものです。片方を取れば、もう片方も付いて来る。

 

今回の問題で、イベ出演者叩きまくる人々は、彼らをタレント」として見ています。「芸人」「職人」としては見ていません。

タレントのイメージに反する行為をしたので、見る側は大きな不満を持つ。

不満を持つ事は客の勝手であり、許す・許されないの問題じゃない。

イメージには限りが無く、どんどん広がり続ける。

…こういうサイクルに入ってしまうと、もう「タレントの抹殺」へまっしぐら。そう簡単に止まりません。

 

このサイクルを止めるには、お客の側が「イメージだけで、物事を判断しない」という習慣を身に付け、錯覚しにくい体質になるしかありません。

しかし、人間は錯覚しやすい生き物です。克服は難しい。

 

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加えて、イメージ商売を仕掛ける人々は、積極的に「お客を錯覚させよう」としています。

うまく錯覚させているウチは良いのでしょうが、失敗すると反動がでかい。

それでもイメージ商売にこだわるのは、「少ないコストで、大きく儲かるから」です。

 

今回の問題を通して「社会が闇」と断ずる前に、イメージ商売の功罪を考える必要があります。

功罪をしっかり考えておかないと、同じ事が繰り返されます。

 

大儲けを取るか?

リスク回避を取るか?

業界の選択はどっち?

 

 

---------(記事了)---------

 

 

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