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20打席連続三振。しかし…

「災害列島・日本」

こんな言葉を目にする機会が、どんどん増えています。

2019年6月18日には、山形・新潟地域で大きな地震が発生。本日も、千葉県周辺で震度4を観測する地震が。

日本のどこにいても、「災害の心配ゼロ」とは言えません。

 

地震は突然起こるものであり、予測が難しい。

他方、水害は予測が立て易く、対策も取り易いもの。

昨年の大水害が記憶に新しいところです。今年も、昨年と同様か・それ以上の水害が起こると思って、準備しておいた方が無難です。

 

そんな事を考えてニュースをチェックしていると、以下の記事を発見しました。

 

mainichi.jp2019/6/23)

 

2018年の西日本豪雨で、大きな被害が出た広島県。その教訓を活かそうと、県庁が主体となって調査を実施。

テーマは「避難を促す効果の高い、最も心に響く呼びかけの言葉は、どんなものか?」

その調査結果を報じたのが、上記リンク先記事です。以下に引用します。

 

避難を促す効果的なフレーズを探ろうと県は2~3月、県内の18歳以上の男女1万人に郵送でアンケートを実施(回答率56%)。全体を6グループに分けて、それぞれ異なるメッセージを示し、「避難所に避難する」と答えた率を比較した。

 

この結果、「これまで豪雨に避難勧告で避難した人は、まわりの人が避難していたから避難したという人がほとんどでしたというフレーズに「あなたが避難しないと人の命を危険にさらすことになります」と続けるパターンが4割近くで1位。

「あなたが避難することは人の命を救うことになります」と呼び掛けた場合が3割超で2位となった。

一方、従来の「命を守りましょう」は2割にとどまった。

https://mainichi.jp/articles/20190623/k00/00m/040/137000cより。朱入れ等は筆者によるもの)

 

いかにも日本人らしい…と言いますか、「皆が逃げたら、自分も逃げる」という考えを持つ方が多いという結果に。

その思考を逆手に取って、避難を促すメッセージに繋げる。広島県では、既に「実際に運用するレベル」へと進んでいます。

今後も同様の調査は続け、更に効果的な対策を探すとの事。この努力は、被害減少へと向かう着実な歩みです。他自治体でも、是非参考にして頂きたい話。

 

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しかし、上記記事でも述べられていますが、「最も効果的なフレーズでも、反応するのは全体の4割だという結果が出ています。

深刻に考えれば、「残りの6割は、避難しない」という事になります。

 

そこまで言われて、なぜ避難しないのか?

この疑問点について、詳しく述べられた記事があります。気象予報士の「片平敦」氏がお書きになったものです。

 

news.yahoo.co.jp(2018/11/27)

人間はそもそも、自分に都合が良いような思い込み・思考の仕方をするような生き物として心理学的には研究されている。

災害時に命を危険にさらすおそれがある考え方に、正常性バイアス多数派同調バイアスが挙げられる。


正常性バイアスとは、「自分だけは大丈夫」「悪いことは自分の周りには起こらないはず」という考え方である。

また、多数派同調バイアスとは、「まだ周りは誰も避難していないしなぁ」「ほかの人が動き始めてから、私も合わせて動き始めよう」という考え方で、いわばこの2つは人間にとっての「都合の良い思い込み・先入観」である。

https://news.yahoo.co.jp/byline/katahiraatsushi/20181127-00105196/より。朱入れ等は筆者によるもの)

 

上記記事で紹介された、2つのバイアス(偏った考え)。

正常性バイアス→自分は大丈夫だと、根拠無く断言する。

多数派同調バイアス→皆の動きに合わせる事を優先させる。

これは、人間なら誰でも陥りやすいものだとされています。人間とは、そもそもそういう考えを持つ生き物である…と。

 

自分は大丈夫だとする正常性バイアスが完全にゼロであれば、「常日頃から不安でたまらない」「安全だとされる場所にいても、何処から何が飛んでくるか分からないから、不安で眠れない」となってしまいます。

 

皆に合わせようとする多数派同調バイアスが完全にゼロであれば、情報を察知する能力に欠けているとなります。

例えば、「銃乱射事件に遭遇し、皆が一斉に逃げている様子を見て、自分も逃げる」という状況。「何か危険があるので、皆が逃げているのか?」と思って行動する事は、自然な事です。しかし、多数派同調バイアスが全く無いと、「自分も逃げよう」という考えが出ず、回避行動が不可能になってしまうわけです。

 

f:id:tenamaka26:20190624171757j:plain

(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20120605153post-1533.html

 

正常性バイアス多数派同調バイアスどちらも、平穏に生きていく為には必要なもの。全く無かったら無かったで、日常生活に支障が出てしまいます。

しかし、災害発生時について見れば、そのバイアスが悪い方向に働いてしまう。

災害発生時は、異常事態・非常事態です。平穏な日常とは違う状態。非常事態に遭遇すれば、考え方を「非常時の思考回路」に切り替えねばなりません。

 

思考回路の切り替えには、訓練や準備が必要。

普段から情報を集め、物資の準備をし、「こういう時は、こうしよう」という心構えを養っておく必要があります。

災害発生前に、出来る事は多い。折を見て、じっくり考えてはいかがでしょうか?

tenamaka26.hatenablog.com

 

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最後に、「用心に用心を重ねた結果、命が助かった」という話を御紹介します。

昨年あった実話です。フィクションではありません。

 

www.kyoto-np.co.jp2018/8/5)

西日本豪雨による京都府綾部市旭町の土砂崩れで、91歳の女性が、家が全壊する2日前に避難し、命が助かった。

救ったのは、大雨のたびに女性を早めに避難させていた家族の行動。

 (https://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20180805000040より。改行等は筆者によるもの)

 

 昨年・2018年に起きた西日本豪雨

その際、京都府の山間部で、

「避難していたから、土砂崩れに巻き込まれずに済んだ」

「避難していなければ、土砂に潰されて死んでいた。危ないところだった」

という実例がありました。

 

注目すべきは、「この避難は、初めての避難では無かった」という事。これまでに、20回以上の避難を実施されていたそうです。

逆に考えれば、それまでの避難・20回分は、全部「大した事は無い」とスルーできる程度だった…という事

 

避難の習慣を始めた動機は、「自分は被害に遭わなかったが、近所で土砂崩れがあった」という話。

他人事で済まさず、自分は大丈夫だとする正常性バイアスを乗り越え、空振りが続いても避難を続け、最終的には命が助かった事例。

よくよく心に刻みたい話です。