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いつから「思い込みではない」と錯覚していたのだ?

ネットの炎上話。

まあ、絶える事はありませんね。いくらでも湧いて出ます。

そんな炎上界隈に、また新たな話が追加されました。

 

www.j-cast.com(2019/6/20)

 

今回の炎上内容と経緯は、以下の様なものです。

 

 

◆炎上したのは、とある着物店が出した広告。初出は2016年だったが、つい先日・2019年6月まで、約3年間掲載されていた。(炎上後に削除され、現在は閲覧できない)

◆広告主が主張する意図は「着物に興味を持って貰いたかった」というもの。

◆しかし、広告のキャッチコピーが「着物の良さを表現していない、かなり酷いものだ」として、ネットを中心に炎上騒ぎになった。

 

◆問題のコピーは

「ハーフの子を産みたい方に」

「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる」

「着物を着ると、扉がすべて自動ドアになる」

「着るという親孝行もある」

…等。

◆このコピーの意図を深読みすれば、こんな解釈もできてしまう。

「ハーフの子を産みたい方に」→着物を着るだけで、外国人にチヤホヤされます。

「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる」→着物を着るだけで、金持ちにチヤホヤされます。

「着物を着ると、扉がすべて自動ドアになる」→着物を着るだけでチヤホヤされ、誰かがドアを開けてくれるのが当然になります。

「着るという親孝行もある」→着物を着ると、無条件で親が喜びます。

 

◆この広告に対し、「着物の良さを表現していないどころか、着ている人に対して失礼」「発想がおかしい」との意見がネットで激増。

◆騒ぎを聞きつけた広告主は、自社ページから当該広告を削除。お詫び分を掲載。

 

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この炎上騒ぎについて、特徴的だと言える要素は「初出は3年前で、2019年6月中頃に炎上が始まった」という”時間差炎上”になっている事ですね。

 

「なぜ時間差が生じたのか」については、まだ諸説ある段階です。が、「そもそも、さほど注目されていなかったからでは?」という説が有力だと分析します。広告主が東京・銀座の着物店であり、他地域では露出が少なかったから…でしょうか。

 

まさか、こんな形で有名になるとは…広告主やキャッチコピー作成者にとっても、意外だった事でしょう。

即効性が無いどころか、マイナスイメージを引き寄せる広告。コストをかけて打つものではありませんね。

 

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この手の炎上騒ぎは、この着物広告に限った事ではありません。いくらでも発生しています。

炎上原因は様々。「違法行為の様子をネットに掲載して炎上」というものもあれば、「他者のミスを叩きまくっていた有名人が、自分も同じミスをして、しかもそれを隠そうとして炎上」というものもあり。千差万別。

 

そう考えた時、今回の「着物広告炎上事件」の原因は、「本質から離れた表現に加え、下心が見え透いて炎上」というものだと結論付けます。

 

この広告は、「着物の販売」を目的としたものです。

それならば、「着物のデザイン」や「着物の機能性」等、着物の価値についての広告を打っていれば良かった筈。もしそうすれば、ここまでの炎上騒ぎにはならなかったでしょう。

 

この広告からは、着物本来の価値についてではなく、何となく「良さそうなイメージ」を消費者に持たせたい…という意図が伝わって来ます。要は「勘違いさせたい」「思い込ませたい」「錯覚させたい」との意図が伝わってくるのです。これは、炎上する広告の多くに見られる話。

 

「勘違いさせたい」という意図は、突き詰めれば「騙したい」という話になります。それも、かなり悪質な部類の騙し方。

なぜならば、「勘違いした方が悪いんでしょ」という言い訳が成立してしまうからです。要は、広告を打つ側の責任回避を目的としたもの。

 

この手の「変な広告」を批判する人々は、自分達が「思い込み・勘違いでカネを出す人間だ」と思われた事に腹を立てて騒ぐのではないでしょうか。

軽く見られた・バカにされたと思うから、怒るのです。

 

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ただ、本来「キャッチコピー」というものは、そういうもの。

ちゃんと説明すれば、2~3時間くらいかかる内容を、たった一言で表現するものです。宣伝したいものの要素を煮詰め、一番濃い部分をズバっと表現するものです。

その為、言葉足らずになるのは仕方ありません。言葉足らずならば、誤解も生まれやすい。

その特性を十分に理解した上で、表現する側が気を付けなければならない。誤解が怖ければ、ちゃんと理論立てて説明すればいいのです。それをしないから、炎上を招くのです。

 

キャッチコピーは、イメージ戦略には欠かせないもの。

ただ、イメージを抱くのは、受け手側であり、解釈は受け手の自由。

イメージ戦略を仕掛けた結果、発信側に不利な受け取られ方をしても、それは受け手の自由がもたらしたもの。「勘違いした受け手が悪い。発信側は悪くない」という言葉は、通用しません。

それを言ったが最後、灰も残らない大炎上になるでしょうね。イメージ戦略失敗の典型例です。

 

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物事を主張するのは良い事です。「言論の自由」というもの。

売りたい品物を宣伝するもよし。自分が面白いと思った漫画や映画を語るもよし。行って楽しかったと思う観光地を紹介するもよし。

日本では、営利・非営利に関わらず、広く「言論の自由」が保障されています。

 

ただ、この自由には「反論の自由」も含まれています。主張に対する批判が来る事もあります。

「論理が破綻した意味不明な反論」や「明らかに名誉毀損や虚偽の違法案件」ならば、相手にしなくてもOKなのかも知れません。

場合によっては、警察が動く話になるかも。

 

しかし、言いだしっぺに「相手の思い込みを利用してやろう」という下心があれば、話は全く違います。

下心とは、往々にして「悪意」と同義。悪意に抵抗する事は、人の自然な反応です。

その下心に綺麗事が重なれば、炎上の度合いは桁外れにハネ上がります(これは、政治家の炎上によくある風景)

今回の炎上事件では、そういう「悪意に対する抵抗感」が見え隠れします。

 

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「相手の思い込み・勘違いを利用してやろう」という下心は、この世のあちこちにあります。それを見抜くには、どうしても勉強や練習が必要です。これは仕方ない事。

しかも、相手が「思い込み」です。思い込みは、大人でもなかなか払拭できないもの。克服には時間と労力がかかります。

 

ただ、何も勉強・訓練せずに「思い込みを他者に利用されて生きる」というのは…とてもオススメできません。

「思い込みを利用され、損ばかりを押し付けられる生き方」になりかねないから。

 

結局は、自分の考えや判断が重要。それらを鍛える為に、訓練が必要。

いくつになっても、学び・考える事は大切です。

 

 

---------(記事了)---------

 

 

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