この世には、様々な漫画作品があります。
扱うテーマは様々。
「人の尊厳」「命の意味」等、深くて重いテーマを扱うモノもあり。
「努力・友情・勝利」という、少年漫画の王道テーマを追求するモノもあり。
「恋愛」をテーマにしたモノ、「医療」をテーマにしたモノ、「歴史」をテーマにしたモノ…。
数えればキリがありません。
そんな中で、「思想性や、哲学的な教訓はゼロ」という軽いモノでありながら、「誰もが関心を持ち、読めば幸せな気分になれる」という、摩訶不思議なテーマを扱った作品があります。
その作品のタイトルは、『だがしかし』。
この作品は、「週刊少年サンデー」誌上にて、2014~2018年に連載されていた作品。コミックスは、全11巻。
とにかく凄い人気の作品で、コミックスは売れ・アニメにもなり・コラボ商品も出て…と、引っ張りだこ。
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『だがしかし』は、コメディ・恋愛・ギャグ・お色気…等々、色々と混ぜ合わさった作品。
その中心となるテーマは、「駄菓子」です。子供が大好きな、あの「駄菓子」です。
幼少期を日本国内で過ごされた方は、一度くらいは駄菓子に触れた事があるでしょう。
大人になっても、駄菓子を好む人は多い。
「おやつ」という扱いだけではなく、「昔を思い出すツール」や「酒のツマミ」等、子供時代とはアプローチが違っている…という事もあるでしょう。
外国人の方にも、駄菓子ファンは多い。
最近、外国人観光客が増加しています。観光客の皆さんが、お土産として買う事もよくあるそうで。
「日本製の駄菓子は、レベルが高い」という証明でしょう。
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話を、漫画の方に戻しましょう。
先述の通り、『だがしかし』は、コメディ・恋愛・ギャグ・お色気…等々の要素が詰め込まれた作品。自称「ハイテンション駄菓子コメディ」。
物語冒頭を少しだけ説明すると、以下の様なものになります。
▼舞台は、現代の日本。とある地方の、海沿いの田舎にある駄菓子屋「シカダ駄菓子店」が話の中心となる。
▼主人公の名は「鹿田ココノツ(しかだ ここのつ)」。15歳の男。実家は古くから続く駄菓子屋で、ココノツが九代目となる。
▼しかし、ココノツは店を継ぐ気は無い。ココノツの夢は、漫画家になる事。その為、夜な夜なコッソリと漫画を描く日々を送っていた。
▼そんなココノツを見守る父「鹿田ヨウ」。ヨウは、ココノツの「漫画家としての才能」よりも、「駄菓子店の経営センス」に期待を寄せていた。
▼ある日の昼間。シカダ駄菓子店に、見慣れない客がやって来た。美人でスタイルの良い女性。年齢はココノツと同じくらい。はっきり言って、ココノツの好みド真ん中。
▼その女性は、ココノツの父に用事があって来たらしい。彼女は「枝垂ホタル(しだれ ほたる)」と名乗った。
▼「しだれ…? どこかで聞いた名前だな」と、ココノツは思う。ココノツが引っかかるのも当然。ホタルは、日本有数の菓子メーカー「枝垂カンパニー」の社長令嬢だったのだ。
▼ホタルが「シカダ駄菓子店」にやって来たのは、ココノツの父・ヨウをスカウトする為であった。どうやら「駄菓子メーカーの世界」では、父の名前は有名らしい。
▼しかし、ココノツの父は、店番をココノツに押し付けて出かけたばかり。ホタルとは入れ違いになってしまった。「すいません。父は不在でして…」と謝るココノツに向かって、ホタルは言う。
「お父さん、いないの? じゃあ…父親の前に、息子のあなたと勝負よ!」
▼「勝負って何だ?」と混乱するココノツ。ホタルは、ココノツに問題を出す。
「キングオブ駄菓子である”うまい棒”。味がいろいろあるけれど、最高の組み合わせは何? 私に見せて御覧なさい!」
▼ホタルの勢いに押され、色々な味の組み合わせを提案するココノツ。その組み合わせを、オーバーリアクションで褒めまくるホタル。彼女を見て「ちょっと変な人だけど、可愛いし、何か気になる」と思うココノツ。
二人の「奇妙で・ユル~イ関係」は、この日から始まった。
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『だがしかし』には、とても多くの駄菓子が登場します。しかも、実名で。
コミックス1巻だけでも、
「うまい棒」
「ポテトフライ」
「きなこ棒」
「モロッコヨーグル」
「ヤングドーナツ」
「笛ラムネ」
…等々、駄菓子界では名の通った面々が出演しています。各メーカーに話を通して、掲載許可を貰ったそうです。
(ただ、NGとしたメーカーも。その場合、パロディの駄菓子が出てきます。例えば「ゴリゴリ君」とか)
『だがしかし』の作風は、各商品毎に存在する「駄菓子あるある」を、絶妙なテンションで語る…というもの。
扱う駄菓子は、殆どの物が実在します。その為、「あるある」に共感し易い。
「口内炎がある時に、”わたパチ”の刺激は危険」
「初めてボンタンアメを見た時、表面のオブラートを包装と思って剥がしにかかる」
「ビッグカツを、白米の上に乗せてみる」
…こんな経験、ありませんか?
筆者は、「ボンタンアメの勘違い」を、リアルに体験しました。
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『だがしかし』は、コメディとしての完成度も高い作品ですが、駄菓子の紹介作品としても完成度が高い。
読んでいると、高確率で「ああ、こんなのあったね~!」と言ってしまいます。
その勢いのまま、登場した駄菓子を実際に買ってくる…という事もあり。
読んでよし。食べてよし。『だがしかし』は、非常に楽しい作品です。興味のある方は、是非ご覧下さい。
(なお、今後の当ブログでは、ちょくちょく『だがしかし』に登場した駄菓子について、少し掘り下げた紹介をさせて頂こうと考えております。そちらの方も宜しくお願いします)
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