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サイレントキラー

本日、ツイッターを眺めていると、トレンドワードに「月50万」や「手取り30万」の文字がありました。

何のこと?…と思い、詳しく調べていくと、以下の記事に辿り着きました。

mainichi.jp(2019/6/10)

問題視された広告は、阪急電鉄神戸線など3線で各1編成の車両を「はたらく言葉たち」という書籍から抜粋したメッセージ広告で埋めた「ハタコトレイン」。

阪急電鉄と、同著を発行したコンサルティング会社・パラドックスの共同広告事業だ。

 

1~8両目の車両すべての中づり広告が

「毎月50万円もらって毎日生きがいのない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。 研究機関研究者80代」

「私たちの目的は、お金を集めることじゃない。地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ。 外食チェーン経営者40代」

などの文章で埋められている

https://mainichi.jp/articles/20190610/k00/00m/040/238000cより。改行等は筆者によるもの)

 

関西にある私鉄大手「阪急電鉄」の車内に、広告代理店「パラドックス」が手掛ける書籍の宣伝企画として、今回の中吊り広告が出現。

しかし、その広告内容を見た人々から、ブラック企業の、ゴリ押し精神論だ」という意見が続出。ツイッター等で炎上騒ぎに。

炎上が発生したその日に、阪急側が企画中止を発表しました。

 

f:id:tenamaka26:20190610234147j:plain

(イメージ画像 http://www.ashinari.com/2017/05/25-395012.php?category=199

 

上記記事にも書いてありますが、企画本体は「書籍の宣伝」であり、決して他人を馬鹿にするものではありません。

しかし、時と場所が悪かった。

 

電車は、通勤客が乗るもの。そこに経営者サイドが書いた文言を並べるという行為は、ちょっと迂闊です。

「上層部の無茶な命令と、それに悩む現場」という構図は、アチコチにあります。通勤客の中には、そういった組織に属し、苦しんでいる方も多いはず。「自分達に対する嫌味か!?」となって、炎上するのも理解できます。

 

特に、今回の広告は「自己啓発本」的なものが元ネタ。個別具体的なものを削ぎ、物事のエッセンスを濃縮し、短い言葉で表現するもの。歌詞と同じです。

こういう言葉は、読み手によって解釈が変わるものです。好意的に捉えるのも、否定的に捉えるのも、全ては読み手の自由。

 

作者は「こう思って欲しい」という願望を抱いて執筆しますが、読者が願望通りに解釈してくれるとは限らない。

そこを上手にコントロールして、作者の意図と同じ解釈をして貰う為には、様々なスキルが必要です。「正しい・正しくない」ではなく、「上手・下手」が問われる部分。

 

その「上手・下手」こそが、広告代理店の飯の種。

上手な所には仕事が殺到し、利益が出ます。下手な所は真逆の状況に。悲しいですが、これ「競争社会の仕組み」なんですよね…。

 

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ただ、ちょっとだけ広告代理店を弁護させて頂くと…。

www.hatakoto.jp(2019/6/10閲覧)

 

上記リンクは、「今回炎上した広告の、元ネタ書籍」に関するページです。いくつかのフレーズが紹介されています。

 

筆者は、閲覧できるものを全て読みました。

私見では、「経営者目線で読む方がいい文章が、7割」「従業員目線で読む方がいい文章が、3割」といった感じです。

 

今回の中吊り広告に、後者「従業員目線で読む方がいい文章」を並べていれば、結果が大きく違ったかも知れません。

 

「言葉を伝える」という行為は、簡単な様で、とても難しい。

前後の文脈・聞き手の属性・伝える場所や時期・伝える順番…等々、様々な要素が絡み合って、最終的な結果が生まれてくるもの。ただ話せばいい、ただ書けばいいというものでは無い。

 

筆者も、自称「モノ書きの端くれ」です。言葉の難しさは、よくよく理解しておくべき立場の人間。

今回の炎上話を、自らの反省材料としても活用できる、そんな修行を続けねばなりません。

 

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炎上騒動は、誰の身にも起こり得るもの。

発生を促す最大要因は、「慢心」「自惚れ」「冷静さの欠如」だと考えます。

油断をすれば、直ぐにやって来る強敵。

 

そう考えていると、歌舞伎役者の「12代目・市川團十郎」氏が発した言葉を思い出しました。

当記事は、その言葉を借りて、締めくくりたいと思います。

 

「”うぬぼれ”ってヤツはな、足音を立てないんだ」