makaran宝箱

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早けりゃ良いってモンじゃねぇ

先日発生した、神奈川県川崎市における殺傷事件。

2人が亡くなり、犯人も自殺。

発生直後は、何が何だか分からない状況でしたが、時間が経つにつれ、少しずつ事情が分かってきました。

 

犯人の名は「岩崎隆一」容疑者。50代男性。犯行当時は無職で、伯父夫婦の家に厄介になっていたそうで。

携帯電話やパソコンを持っていた形跡も無く、ネット環境が整っている様子も無く、友人や行きつけの店があった感じも無く、長い間「社会的孤立状態」に陥っていた様子。

両親が離婚した等、過去の家庭環境が複雑だったという話も報じられました。

 

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色々と気の毒な背景が報じられていますが、無関係の人間を殺害した以上、犯人への同情の声は期待できません。

ただ、「なぜ犯行に及んだのか」を調べ、再発防止へと活かす為には、犯人の情報が必要不可欠。その情報を密室に閉じ込めるのではなく、広く世間に伝えて、皆が考える事も重要です。

 

しかし、「犯人の情報なら、何でもかんでも流していい」というワケでもない。全く考えずに流す事は「タレ流し」と言われ、問題視されます。
流す側には、情報の取捨選択を行う権利があります。情報を流す・流さないに関して、考える機会があります。その機会を経て、流すかどうかを決める選択権もあります。
その為、後になって「なぜこの情報を流したか」を問われたら、きちんと答えを返せて当然。それが無い場合は、「何も考えてない」として、非難される事がしばしば。

 

そういった「非難される報道」が、昨日もありました。ツイッターを中心に、大きな騒ぎになっています。

その報道内容とは、「犯人がゲーム機を持っていた」というもの。

 

www.fnn.jp(2019/5/30)

www.news24.jp(2019/5/30)

 

「犯人の部屋から、テレビとゲーム機が見つかった」との警察発表が。これを速報で流す局があり、一般視聴者から疑問の声が出ます。

 

「だから何?」

「それ犯行に関係ある?」

「速報で流す意味あるの?」

 

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犯人に関しては、他にも情報はありました。

例えば、「普通の新聞を2紙と、スポーツ紙を1紙取ってた」とか、「ノートが見つかった」等。

それらを掘り下げるわけでもなく、わざわざ速報で「テレビとゲーム機が発見」と報道。

「情報を吟味してから流しているハズのマスコミが、わざわざ速報で伝える理由が分からない」と受け止められ、ネットユーザーの憶測を呼び、大炎上となりました。

 

まあ、ユーザーの反発も仕方ないかな…と考えます。

なぜなら、「マスコミが、犯罪者とゲームを結びつける時は、決まって”過激表現のあるものが犯行を助長した”なんていう論調に持っていくから」という事を、経験として知っているからです。

 

ゲームに限らず、漫画や映画でも同じ扱いがなされた事があります。タダのフィクション作品なのに、「凶悪な犯行をさせた黒幕」的な扱いを受ける事もしばしば。

今回は「ネット環境が無かった」との事でしたが、もしネット環境があったならば、高確率でネットが悪者にされていたでしょう。

 

一方で、不思議と「新聞記事が、犯人の悪意を増長させた」「テレビ番組が、犯行を助長した」等という報道は出にくい。

「ゲームや漫画と、犯行との因果関係が証明された」とする話も聞かない。

どこかに悪意や偏りを感じます。

 

つまり、

「マスコミは、自分達が悪者扱いしたいものを選んで、意図的に悪意のある報道をするものだ」

「そういう認識が、視聴者側に根強くある」

という事なのでしょう。

「マスコミが、正確な情報を探す」のではなく、「マスコミが、正確さを作って押し付ける」と、一般人に思われている。

そういう認識がネットユーザーを暴走させ、炎上を起こすのでしょう。

 

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こういう「マスコミの姿勢」に関しては、マスコミ側からも問題視する意見が出ています。

 

川崎殺傷「容疑者宅にテレビやゲーム機」報道に「ウチにもある」と批判殺到 フジテレビ系と日本テレビ系で相次いだ報道。炎上はなぜ起きたのか

https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/tv-news(2019/5/31)

筆者もかつて、新聞社で事件記者をしていた時期がある。取材競争の厳しさと、続報を求める圧力の強さは身をもって体験した。


競争が健全に働けば、そこから価値あるスクープが生まれることもある。

一方で「逮捕へ」を他社よりも半日早く書くとか、「現場で白い車が目撃された」とか、読者不在の「抜き」「抜かれ」レースに追われ、取材現場が思考停止に陥ってしまうこともある。

続報を出すことが自己目的化すると、「その情報は社会にとってどんな意義があるのか」という、報道機関にとって一番大切な視点が抜け落ちてしまう。


今回の「テレビやゲーム機があった」というニュースには、どんな意味があったのだろう。

むやみに続報を出し続けるよりも、「一回休み」の後により深い詳報を世に問う方が、よほど意義があるのではないか。

 (※朱入れ等は、makaranによるもの)

 

今回の炎上騒動は、まさにコレですね。

「速報性ばかりを考え、内容を吟味していないのでは?」

 

f:id:tenamaka26:20190531234302j:plain

(イメージ画像 https://www.pakutaso.com/20160446104post-7576.html

 

ただ、あまり吟味し過ぎると「マスコミの偏見が混じっている」「公平性に欠ける」と言われますし、逆だと「考えずにタレ流し」と言われます。

難しい所ですね。

 

が、マスコミとは、元々「高度で困難な仕事」です。

その為に、優秀な方を入社させ、高い給料を払っているハズ。

高い給料の原資は、高い広告代金ですね。

「難しい仕事を遂行してくれる」と期待され、それ故に資金が集まるワケでして。

 

「そんなに期待されても困る」というのであれば、ハッキリ言えばいい。

「ウチの報道には、正確性や必要性は二の次で、ウケ狙いを重視した記事がよく混じっています。その為、品質はそれなりです」と。

 

こう発表した結果、広告収入や単価が下がっても、それは仕方の無い事です。

寧ろ、潔くていい。好感度が上がるかも知れません。