『スパイダーマン』
ご存知の方は多いでしょう。有名なアメコミヒーローです。
コミックスは勿論、映画・アニメ・ゲーム等々、幅広く展開されています。
(提供:タワーレコード)
(「アメイジング・スパイダーマン アメイジングBOX」ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
このスパイダーマン。
出演作は数多くあれど、その設定は大体同じです。
▼主人公は「ピーター・パーカー」という名の若い男性。
▼彼は、とある「生物の研究施設」を訪れた際、偶然にも特殊な実験(遺伝子操作実験や、放射線の実験)で突然変異した蜘蛛に噛まれてしまう。
▼噛まれた事が原因で、ピーターの身に異変が起きる。蜘蛛の様に素早く壁を登る能力、常人を遥かに超える筋力や敏捷性、超人的な危機察知能力(スパイダー・センス)等、数々の特殊能力を備える身体になったのだ。
▼ピーターは「スパイダーマン」と名乗り、自分で作った全身スーツを着て、街に出没する犯罪者と戦う。その多くは普通の人間だったが、そのうち「自分と同じ様な特殊能力を持った、悪の超人」が次々と出現し…。
こんな感じですね。
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スパイダーマンを作ったのは、アメリカ人の「スタン・リー」氏を始めとする「マーベル・コミック社」の方々。
マーベル社は、いわゆる『アベンジャーズ』や『X-MEN』にも深く関わる会社です。アイアンマン、キャプテンアメリカ、ハルク、ウルヴァリン…等々、ハリウッドではお馴染みの顔ぶれ。
そんな会社が作ったスパイダーマンは、アメリカを代表するヒーローのひとりです。
しかし、スパイダーマンが製作された国は、アメリカだけではありません。
実は、過去に日本でも作られていました。
それら「和製スパイダーマン」の中で、最も有名だとされているのは、「漫画版・スパイダーマン」と「特撮テレビドラマ版・スパイダーマン」です。
本記事では「漫画版」について、詳しく見ていきます。
スパイダーマン 文庫版 (画:池上遼一) コミックセット (MF文庫)
上記画像が、日本の「漫画版・スパイダーマン」です。
マーベル社の許諾を得て描かれている作品なので、正式なもの。海賊版ではありません。「アナザーストーリー」や「外伝」に近い作品。
執筆時期は、1970年代初頭。作者は、漫画家の「池上遼一(いけがみ りょういち)」氏。
池上氏といえば、『傷追い人』『クライングフリーマン』『HEAT』『サンクチュアリ』『覇-LORD』等々、数多くの作品を世に送り出した方として有名です。
現在は、小学館の「ビッグコミックスペリオール」誌上にて、『BEGIN』を連載中。CMのイメージキャラクターは、あの「百獣の王」こと「武井壮」氏。
bigcomicbros.net (2019/5/30閲覧)
池上氏は、御歳70超。名作を多数描き、それでもなお活躍し続けているとは…。そのパワーに圧倒されます。
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『池上版・スパイダーマン』の設定ですが、基本的にはアメコミ版と同じです。
しかし、「舞台は日本」「主人公は、日本人の学生」「アメコミ版には出ない敵が出現」等、池上版オリジナル要素が随所にあります。
また、作品の雰囲気が若干ダーク。分かりやすい「正義vs悪」という構図ではありません。こういった雰囲気は、漫画版『仮面ライダー』等と同じ。日本独特のものです。
また、当時の「日本の世相」を強く反映した作風になっているのも、池上版の特徴です。
例えば…当時は、まだ学生運動が盛んで、大きな事件が発生していました。有名な組織に「日本赤軍(にほんせきぐん)」というものがありますが、『池上版・スパイダーマン』では、赤軍をモジった「紅軍派(こうぐんは)学生ゲリラ」が、敵役として出てきます。
こういったハードな内容は、アメコミ版には見られないもの。
そんな特徴を持つ、『池上版・スパイダーマン』ですが…。
現在、書籍を取り扱っている所が、とても少ない!
散々探して、見つかったのは中古だけ。かなりのレアアイテムになっていますね。
その違いを比べてみるのも、なかなか面白いものです。
興味のある方は、是非ご覧になってみてください。
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