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風物詩に隠れた刑罰

2019年5月26日(日曜日)。

北海道で、観測史上初の高温を記録。

まだ5月なのに、この暑さ。しかも、日本で一番暑かったのが北海道という事で、いろいろ記憶に残る日になりました。

 

そんな中、別の所でも「記憶に残る場面」が。

アメリカ合衆国第45代大統領「ドナルド・ジョン・トランプ」氏と、日本の安倍首相が連れ立って、大相撲夏場所の千秋楽観戦に訪れました。

 

トランプ大統領は、新天皇即位・新元号発表後の初国賓として、昨日より来日中。

「相撲を生で見たい」との強い要望で、今回の観戦が実現しました。

加えて、優勝力士に「アメリカ大統領杯」を手渡す場面も。

 

www3.nhk.or.jp(2019/5/26)

 

大統領の相撲観戦は、何事も無く終わりました。

厳重な警備があったからこそ…でしょう。

 

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そんな折、会場の「両国国技館」で、とあるチラシが配布されました。

その内容が、ちょっとした話題になっています。

 

www.sponichi.co.jp(2019/5/26)

日本相撲協会は大相撲夏場所千秋楽の26日、来場者に「ご注意」と書かれた用紙を配布した。場内で座布団などの物を投げるなどの行為が禁止であることを説明する内容で、それらの行為を行った場合について「退場の上、処罰されることがあります」と記した。

処罰内容については、具体的に「刑法第208条暴行罪」の「二年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金または拘留もしくは科料」にあたることを強調。さらに、損害賠償責任(民法第709条)を負う可能性についても記した。

 (https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/05/26/kiji/20190526s00005000127000c.html より。朱入れ等は筆者によるもの。以下同)

 

「相撲で、大番狂わせが起きた時、座布団が館内を飛び交う」という光景は、かなりよく見ます。

アナウンスで「危険ですから、座布団を投げないでください」と注意が出るも、それが関の山。座布団を投げた客の所に、警官が大勢やってきて取り押さえる…という光景は、見た記憶がありません。

しかし、上記の注意書きによれば、「暴行罪になるかも知れない」とのこと。

 

f:id:tenamaka26:20190526214837j:plain

(イメージ画像 http://www.ashinari.com/2010/04/04-035584.php

 

(暴行)

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

  (e-gov「刑法」より)

 

「暴行罪」を簡単に表現すると、「何かしらの怖い行動に出たけど、相手が怪我しなかった場合に成立する罪」といったところでしょうか。

例えば「服を引っ張る」だとか「水をかける」といった行動が思い浮かびます。「座布団を投げる」というのも、同様の流れで暴行罪のカテゴリに入ります。

 

ただ、暴行罪は「相手を傷つけなかった」という前提なので、相手が怪我したら話は別。傷害罪(刑法204条)のカテゴリに入る恐れ有り。暴行罪よりも重い罪になります。

(傷害)

第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  (e-gov「刑法」より)

 

この様に、法律には規定があります。が、実際に「相撲の会場で座布団を投げ、暴行罪で逮捕」という話を聞いた事がありません。筆者が確認できる範囲内では、それらしい新聞記事もなし。

ただ、暴行罪が成立する余地はありますし、相撲協会が注意喚起のチラシを作成するくらいですから…「未来永劫、暴行罪で捕まらない」という事はないでしょう。

 

 今の所は、「それほど悪質では無いから」という理由で、相撲協会が黙認してくれているのでしょうが、今後は厳しくなるかも。

そもそも、正当な理由無く、人にモノを投げるのは駄目です。「怪我でもしたらどうするんだ!」と言われたら、それまで。

「座布団自体は、軽くて柔らかいから大丈夫」と思う方もいるでしょうが、思わぬ事態は起こるもの。「飛んできた座布団で視界が遮られ、足元が見えずに、コケて怪我した」といった状況にでもなれば、話は一気に深刻化します。

 

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また、相撲協会との約束事(「相撲競技観戦契約約款」に基づく『大相撲観戦時のお願い』)にも、「モノを投げてはいけません」と明記されています

これを無視すると、出入り禁止にされるかも。

 

www.sumo.or.jp(2019/5/26閲覧)

 

相撲観戦は、楽しく行うもの。

「これくらい大丈夫だろう」と思って、禁止された行為に出るのはNGです。

「みんなやってるじゃないか!」と仰る方もいるでしょうが、そういう場合に「みんなが仲良く、揃って、出入り禁止」という結末もある…そう思った方がいいでしょう。

 

「座布団を投げて逮捕された」となれば、恐らく新聞に載るでしょう。

ネットで個人が特定され、炎上する可能性もあります。

騒ぎになる前に止めておいた方が、いろいろ無難です。