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「上級国民」を、ひたすらシバきまくる漫画

「上級国民」という言葉。

昨今、ネットで急上昇しているワードです。

 

「上級国民」という言葉が出現したのは、何年も前。昨日今日の話ではありません。ここ最近の急上昇は、再流行している状態。

その切っ掛けとなったのは、とある交通事故です。

 

www.fnn.jp(2019/4/26)

 

2019年4月19日に、東京の池袋で、悲惨な交通事故が発生。

80代の男が運転する乗用車が暴走し、自転車に乗っていた3歳の女の子と母親が轢かれて死亡。その他に重軽傷者7人を出した大事故です。

 

犯人が高齢者。いつもの「高齢運転は危険」という論調に流れるかと思いきや…。

犯人の経歴に「元通産官僚」「勲章受賞者」「大企業や有名組織の役員」等の肩書きがある事が判明。

「そんな経歴があるなら、カネもあるだろう。タクシーを使え」

「元官僚なら、頭がいいだろ。高齢運転が危険という情報も知ってるはずだ」

この類の批判が、ネットで噴出。

 

加えて、当初の報道では犯人が匿名。現行犯でありながら逮捕されないという話が出てきます。「人を轢き殺しても、元官僚なら特別扱いで、逮捕されないのか?」という怒りの意見が、犯人・警察・報道機関にぶつけられました。

その流れで「上級国民」の露出が急上昇。

 

まあ…結論を言えば、「轢いた本人も骨折しているので、治療が先。逮捕は後」という事なのですけどね。「経歴を見ただけで、逮捕を免れる」という話では無いでしょう。

 

仮に、「警察が、怪我した犯人(高齢者)を逮捕し、留置場に連れて行った」としましょう。

もし留置場内で、容疑者の状態が悪化してしまった場合、責任を問われるのは警察です。「容疑者が死亡」という最悪の事態になろうものなら、刑事手続きを警察が潰したという話になります。それはまずい。

その為、慎重に動いているのです。「上級だから」という理由だけで逮捕しない…というのは、ちょっと違うのではないかと。

 

今後の回復を待って、取調べが進むでしょう。

 

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さて、ここからが当記事の本題。とある娯楽作品についての話です。

(上記の「80代の男が起こした悲惨な事故」と、直接的な関係は全くありません)

 

先ほどから出ている、「上級国民」という概念。

そういった規定や法律が存在する訳ではありません。何となく言われているだけ。

 

しかし、実際に「奇妙な特別扱いなのでは?」という状況は存在します。

「同じ犯罪行為をした犯人なのに、社会的地位の高い者はウヤムヤで、そうでない者は逮捕?」としか思えない状況は存在します。

ひとつやふたつじゃありません。

そんな疑惑を孕んだ事態が起きれば、一般市民の不満が爆発します。しかし、不満をぶつける場が無い。

 

そういった不満を代弁してくれる、そんな作品があります。

作品名はアクメツ

 

(著:余湖裕輝田畑由秋 秋田書店

 

アクメツ』は、「週刊少年チャンピオン」誌上にて、2002~2006年に連載された作品。単行本は全18巻。

2019年現在から見て、13年以上前の作品になりますね。

 

ジャンルは「バイオレンスもの」です。人が死にまくります。血が苦手な人は注意ですね。

ただ、死ぬ人々のテンプレは決まっています。それが、いわゆる「上級国民」です。

(『アクメツ』内では、「一等日本人」という呼称が使われています。そうでない者は「下等日本人」とされます)

 

アクメツ』は、「悪滅」の意。

腐敗した政治家・官僚・大企業の上層部や、暴力集団を「悪」として、ひたすら殺しまくる存在が「アクメツ」です。本作の主人公です。

 

やっている事はテロみたいなもの。決して「正義のヒーロー」ではありません。

ですが、アクメツは世間の圧倒的支持を受けます。

なぜなら「無差別ではないから」です。

 

アクメツは、ターゲットにした「悪の一等日本人」を、あらゆる手段を使って殺しますが、そうでない人々は、絶対に殺しません。(ターゲットの護衛任務に就いている者を、戦闘不能にする事はありますが)

殺される側には、「なぜ悪と呼ばれるのか」について、明確な理由があります。多くは裏で不正行為をし、「表に出れば身の破滅」というものばかり。

アクメツがターゲットを殺す前に、その詳細を説明します。それを知った一般国民は、当然怒ります。その結果、アクメツの支持が上がる…というループ。

 

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アクメツがやっている事は、ハッキリ言って犯罪。

その事は、『アクメツ』を描いた作者さんも言っています。「この主人公を信じてはいけません。疑ってください」と。

 

まあ、『アクメツ』はフィクション作品なので、物語の内容を鵜呑みに出来ない事は明白。それはそうです。

しかし、鵜呑みには出来ないにしても、「不思議な爽快感」がある事は否めません。

理由は簡単。「裏で汚い事をやる権力者が、無残な最期を遂げるから」です。

 

この様な作風は、『アクメツ』に限ったものではありません。

有名なところでは『必殺仕事人』の名前が出ます。『ねずみ小僧』もそうですね。前者は殺人、後者は窃盗。どちらも犯罪者が主人公ですが、大衆受けする作品です。

なぜなら、「最終的に成敗されるのは、悪さをする権力者だから」です。

 

上記の2作品は、どちらも時代劇です。が、時代劇に限らず、似たテーマの作品は多い。

例えば『クロサギ』。詐欺師を騙してカネを巻き上げる「詐欺師しか狙わない詐欺師」が主人公の人気漫画。

コードギアス』にも、同様の要素が見え隠れします。日本が侵略・植民地化され、民族単位で虐待を受けている架空世界で、反逆のテロを実行…という内容の人気アニメ。

 有名な漫画・アニメ作品『ルパン三世』も、主人公は泥棒。しかし、警察では裁けない悪をやっつけるという点で人気があります。『カリオストロの城』は、その典型。

言わずと知れた人気作品『ワンピース』も、海賊が主人公です。海賊は、強盗や泥棒の一種。

 

どれも犯罪者にカテゴライズされる主人公ですが、人気があります。

人気の理由は、恐らく「主人公側に、卑劣さ・卑怯さが無い」という点と、「敵がドス黒い悪者」という点が共通しているからでしょう。

 

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「上級国民」という言葉は、最近出現したものです。

しかし、その概念は古くから存在します。いわゆる「権力を利用して、弱者をいたぶる」という嫌われ者のこと。

 

実際の歴史を振り返ってみても、そういう権力者は大勢います。

これからも、同じ人間は大勢出てくるでしょう。

歴史は繰り返す。

 

そういう繰り返しから抜け出せないうちは、『アクメツ』の様な娯楽作品も絶えそうにありませんし、人気を博すでしょうね。

 

 

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