本日は、とある漫画の紹介をば。
「定番ネタの切り口を変えると、ここまで異質な仕上がりになるのか!」という、驚きの作品です。
作品の題名は『吸血鬼すぐ死ぬ』。
(著:盆ノ木至 秋田書店)
『吸血鬼すぐ死ぬ』は、「週刊少年チャンピオン」誌上にて、2015年から連載されている作品です。2019年4月までに、コミックスは12巻まで発行されています。
この『吸血鬼すぐ死ぬ』ですが、題名の通り「吸血鬼」が主要キャラです。その辺り、有名漫画『彼岸島シリーズ』と同じですね。
しかし、『吸血鬼すぐ死ぬ』が『彼岸島シリーズ』と大きく違う点があります。それは…
『吸血鬼すぐ死ぬ』は、ギャグ漫画だと明言している
という点です。
『彼岸島シリーズ』とは違い、ホラー要素は皆無。
(彼岸島シリーズは、一応はホラーだと…思います)
『吸血鬼すぐ死ぬ』の雰囲気は、「うすた京介」氏の作品『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』『ピューと吹く!ジャガー』等に近いものがあります。
うすた氏の作品が好きな方に、『吸血鬼すぐ死ぬ』はオススメです。
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『吸血鬼すぐ死ぬ』の主役キャラは、主に二人。
腕利きの吸血鬼退治人(バンパイアハンター)である「ロナルド」と、高位吸血鬼である「ドラルク」です。
「ドラルク」は、「真祖(しんそ)」と呼ばれる、純潔種の吸血鬼。人間が吸血鬼に噛まれて後天的に変化した者ではなく、吸血鬼として生を受けた存在です。
『吸血鬼すぐ死ぬ』以外でも、吸血鬼を描いた作品は数多あります。が、「真祖」の扱いは、どの作品もほぼ同じです。一言で表現すれば、「メチャクチャ強い」。
大抵はラスボス(最強・最後の敵)です。ラスボスでは無い場合でも、無類の強さを誇る作中屈指の強敵。
普通の攻撃では傷一つ付かず、弱点を突かない限り絶対に死なない相手で、人間を吸血鬼化して手足の如く操り、吸血鬼軍団を率いて襲い掛かってくる。
こういう姿が、「真祖」を描く時の定番になっています。
しかし、「ドラルク」の場合、他作品の真祖とは…かなり違います。彼の特徴を列挙すると、以下の様なものになります。
・基本的には不死身。ダメージを受けて、一時的に灰と化す事はあっても、すぐに復活する。
・血が好物だが、吸わなくても大丈夫。人間の食べる物で栄養補給が可能。
・太陽光線やニンニクなど、「吸血鬼の弱点あるある」には弱い。しかし、ドラルクの不死性が異様に高く、どれを使っても完全に消滅させる事ができない。せいぜい足止めになる程度。
・ただ、ドラルクは「吸血鬼の弱点あるある」だけではなく、様々なモノに弱い。その為、やたらと灰になっては復活する…という日常生活を送っている。
・ドラルクを灰にさせるものの一部を列挙すると、以下の様になる。(なお、ドラルクが灰になる事を、本作では「死ぬ」と表現している)
「ドアに挟まれて死ぬ」「退治人が銃を向けただけで死ぬ」「チョップで死ぬ」「ブサイクと言われて死ぬ」「子供にスネを蹴られ、痛くて死ぬ」
「持ってるゲーム機を壊され、精神的ショックで死ぬ」「自動ドアに挟まれて死ぬ」「血を吸ったら、好みの味とは違ったので死ぬ」
「背負い投げを喰らって死ぬ」「貯金計画が頓挫して死ぬ」「小学生にタックルされて死ぬ」「ポストの角に手をぶつけて死ぬ」「犬に吼えられて死ぬ」「オバチャンにぶつかって死ぬ」「クソゲーをプレイしたら死ぬ」
とにかく、ひたすら虚弱体質であり、精神的にも弱い(豆腐メンタル)。
・ドラルクの得意なものは「ゲームのやり込み」と「料理」。少なくとも戦闘向きではない。
・コウモリなどに変身する能力を持つが、長年引き篭もってゲーム三昧の日々だったので、変身方法を忘れている。その為、コウモリに化けたつもりが、エイリアンみたいな外見になってしまう場合が多々あり。
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とにかく、真祖であるハズの「ドラルク」が、ひたすら弱い。超虚弱体質で、チキンハートの吸血鬼です。
その「ドラルク」が、成り行きで吸血鬼退治人「ロナルド」と一緒に暮らす事になります。その中で、様々な騒ぎが巻き起こり…というお話。
基本的に、1話完結形式のギャグ漫画。楽しく読めます。
ストレス解消にオススメ。
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