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自ら追加燃料を注ぐスタイル

桜田義孝」五輪相が、失言で大臣辞職。

各媒体が、一斉にトップニュースとして扱っています。日本だけではなく、海外メディアも同様。

 

www.bbc.com(2019/4/11)

 

この方、言い間違いや失言を連発する方として有名でした。人の名前や地名を間違えるのは前菜みたいなもの。自分の担当内容を質問されて、しどろもどろになる場面がしばしば。

 

最も目が点になったのは、サイバーセキュリティについての発言。

桜田氏は、オリンピックの他にサイバーセキュリティも担当していました。しかし「私は、パソコンを使った事が無い」と公の場で発言。海外メディアに「ある意味、最強のセキュリティだね」と揶揄される羽目に。

その発言は、「車を運転したことはありませんが、F1に出ます」と言っている様なものですが…。

 

そんな悪行が重なり、「文脈から判断すれば、そこまで責められる発言とは思えない」というものまで炎上し、自ら進んで追加燃料を注ぐ立場に。

そして、トドメに今回の失言。

東日本大震災の被災地より、自分の仲間が当選する方が大事」という発言をして、その場にいた身内からも不安視されました。

 

その直後、居合わせたマスコミから問い詰められると「そんなこと言ってない!」と否定。(それが追加燃料になるんですけどね…)

話が総理官邸に伝わり、今回の結末となっています。

 

形式上は、自ら退いた「辞任」。しかし、実質的には安倍首相による「更迭(こうてつ。クビのこと)」ですね。

 

www.sankei.com(2019/4/11)

 

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この話は、「桜田氏が消えたから、一件落着」とは言えません。

今後も考えるべき点が、少なくとも3つあります。

 

 

(1)閣僚人事が、エサになっている状況

「○×大臣」等の肩書きを持つ閣僚は、日本の最高レベル権力者です。

内閣総理大臣が「会社の社長」とすれば、閣僚は「各担当部署を仕切る、取締役クラス」と言えます。

その責任は重大であり、職務遂行の為に高いスキルが要求されます。これは当然の話。

 

しかし、「適材適所」とは名ばかりで、「当選回数の多さ」とか「与党内の縄張り争い」等の理由から、人事が決まっている事が多い。仕事スキルと全く関係の無い部分で、椅子の奪い合いになっています。

桜田氏は、その典型例でしょう。「パソコン?何それ?」という人が、悪意のあるハッカー(クラッカー)を相手に戦う…という状況なのですから。

www.newsweekjapan.jp(2019/4/11)

まず、安倍政権の「任命責任を問う」という「いつもの批判」があります。ですが、総理にしても「桜田氏が適任だとか、素晴らしい行政スキルがある」という判断で、このポストに据えたわけではないと思います。仮にそうなら、それこそ「人を見る目がない」訳で、総理として心配な状況になります。

 

問題はそうではないということです。違和感の第一は、こうした人事が起きる風土の問題です。今回の問題ですが、背景には長期政権になると積み残しの閣僚候補にポストを配らないと、党内の力学でしっぺ返しを食らうというシステムがあるわけです。閣僚に推薦している派閥の中でも、当選回数に配慮して閣僚に推薦しないと、文句を言われて困るとか、そうした事情も推察されます。

https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/04/post-1077.php より。朱入れは筆者によるもの)

 

「大臣のポストが、党内へのエサになっている」という話は、以前からあります。

それを言わずに、ひたすら「適材適所」と言い張るのであれば、任命権者に見る目が無いとして、任命権者自身に退場頂く流れになるでしょう。

もう「適材適所」という言葉自体が、失言扱いされつつあります。

この機会に、ちゃんと考え直した方がいい。

 

 

(2)政治家の最大関心事は、選挙

今回の問題。なぜ従来どおり「適材適所」と言わずに、更迭したか?

その原因は、「選挙」しか考えられません。

逆に言えば、「選挙が近づいていなければ、更迭しなかったかも知れない」

 

今年は選挙イヤー。先日の統一地方選前半を皮切りに、統一選後半~衆院補選~参議院選挙が控えています。

その状況で、「東日本大震災の被災者を軽視する大臣」を放置すれば、与党の姿勢に巨大な疑問が出てきます。

 

「被災者を大事にする? 本当に? 大臣が”被災者より選挙が大事”って言ったよね?」

こう思われたら大打撃。言行不一致と思われるのは、致命傷です。

実際、先の大阪ダブル選では、「普段の言動が水と油」である野党各党が団結し、一丸となって推した候補が…見事に負けました

 

「普段の言動がかみ合ってないのに、同じ人間を応援する? 受かることしか考えてないね」

「どうせ当選後に公約破るか、公約に書いていない事から始めるんでしょ」

こう思われると、票を失います。この流れは、もうずっと前からありました。「ずっと前からある」ということは「ずっと前から悪い点が直っていない」ということ。

 

この悪習を消すには、選挙に行って、自分の考えで投票する事が重要です。

日本人の多くは、特定の支持者や支持政党を持たない「浮動票」に分類される方々。それゆえ、古い考えの政治家は投票率の上昇を喜びません。確実に自分に入れてくれる「固定票」の占める割合が減り、浮動票が当落の鍵を握るからです。

 

政治家が最も恐れるのは、自分が落選すること。

加えて、上記の大阪ダブル選の様に「選挙に受かることしか考えず、普段の行動を省みない候補は、落ちる」という例もあり。

その為、普段の行いが重要になってきます。つまらない失言を始め、各種の悪事は減るでしょう。

 

 

(3)有権者のレベルアップ

当記事の冒頭で少し述べましたが、野党やマスコミによる切り取りには気をつけねばなりません。

そこは、有権者が試される部分であり、レベルアップを求められる部分です。

 

桜田氏に関して言えば、「文脈から判断すれば、そこまで責められる発言とは思えない…というものまで炎上した」という場面がありました。

これは桜田氏に関してだけではなく、野党やマスコミ全般にありがちな事です。騒ぎを大きくすれば、野党の勢いが増し、マスコミの仕事が増えます。その為に、変な捉え方をする事が多い。

 

「失礼っぽい発言」が出てきても、その一言だけで即断するのは危険。「何に対してなのか」や「誰がそう思うのか」等々、様々な要素を考慮に入れてから判断しなければいけません。

即断即決の前に、多くの記事を読み、総合的に判断するクセをつけた方がよい。踊らされる確率が下がります。

自分で考え、自分で出した結論が、自分にとっての正解。後で振り返り、間違いや不足があれば、直せばいいのです。その繰り返しで、有権者としてのレベルが上がります。

 

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最後に。

 

政治家は、言葉が命。

政治家の仕事は、「説得」と「調整」。どちらも言葉を使って行われるもの。

言葉の扱いが下手では、政治家の仕事も下手だと思われて当然です。「たかが失言」と流す事はできませんね。

 

ただ、その言葉が本当に失言かどうかは、しっかり掘り下げる必要があります。

「野党が失言と騒いだ」「マスコミが失言と伝えた」で思考停止は危険です。

 

一般の有権者にとって、選挙での投票が最大の意思表示であり、最強のパワーを持つ行為です。

政治家が最も恐れるのは、自分の落選。当落を決めるのは、有権者ひとりひとりの考え。

今年は、選挙イヤーです。この機会に、しっかり考えて投票しましょう。

「自分で考え、自分の理由で投票する」という行為を繰り返せば、世の中は少しずつ変わってきます。

 

 

【参考書籍】『その情報、本当ですか? ネット時代のニュースの読み解き方(著:塚田祐之) 』岩波ジュニア新書

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