makaran宝箱

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数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使いたがる

「平均」

へいきん。

アチコチでよく聞く言葉です。

 

元々は「物事の凸凹を無くし、平にならすこと」の意味でしたが、今日では「観測データの総和を、個数で割ったもの」として使われる機会が多くなりました。

例えば、「3匹の魚がいて、それぞれの重さが1kg・2kg・3kgだった」という場合、これらの平均重量は…

1kg + 2kg + 3kg = 6kg(データの総和)

6kg ÷ 3匹 = 2kg(個数で割ったもの)

この様な計算になり、「平均重量は2kg」となります。

 

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この平均という概念。日常生活の様々な所で目にする機会があります。

「テストの平均点」「平均年収」「平均身長」「平均体重」「平均勤続年数」「平均株価」「平均気温」「平均降水量」などなど。

 

多くの場合、平均の概念に触れるのは小学生の頃でしょう。その後、高校数学あたりで「相加平均」「相乗平均」などの話が出てきて、だんだん難しくなります。

 

 

平均というものは、慣れ親しんだ概念・数値です。

そのハズ…なのですが、本日、そこに疑問を投げかける記事を見つけました。

 

nlab.itmedia.co.jp(2019年3月26日付。引用の朱入れは筆者によるもの)

「平均株価」「平均視聴率」「平均所得」……と、「平均」はニュースなどでも当たり前のように使われている数学用語の1つ。小学校高学年で教わるので、数学というよりは“算数用語”と言った方が分かりやすいかもしれません。

 しかし、この平均という概念は意外にも難しく、「小学6年生レベルなのに、大学生の4人に1人が解けなかった問題」が存在。自分がちゃんと理解できているか、チェックしてみましょう。

 

上記リンク先には、「小学生レベルの問題なのに、大学生の25%が解けなかった」という驚きの問題が掲載されています。

筆者も挑戦してみましたが、何とか正解しました。(ギリギリでしたけど)

問題を解いてみた感想ですが、「難しくて分からない」というよりも、「当たり前に使う概念なので、そこまで深く考えた事がなかった」という印象が湧いて来ます。

f:id:tenamaka26:20190326222614j:plain

(画像はイメージです)

 

この印象は、「子供からの素朴な疑問」を受けた時に感じるものです。

「なぜリンゴは赤いの?」「なぜ魚は溺れないの?」「なぜ夏は暑くて冬は寒いの?」という類の質問。

大人になれば、”そんなの当たり前”として流す話です。しかし、いざ真剣に考えてみると、キッチリ答えられるかどうかは…怪しい。そんな話は多いのではないでしょうか?

 

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「そんなの当たり前」とされているのに、「なぜそうなるか、理由をきちんと答えられない」という類の話。

これは、危険な状態です。つまり「分かった気になっている」という事だからです。一種の錯覚。

 

まあ、「全ての事を説明できる人」は、恐らく存在しません。複雑化した社会、多忙な日々、次々に流れてくる情報…。それらの全てを理解しようと思えば、かなりの時間と労力をかけて勉強しなければなりません。現実的に無理な話。

その為、「各個人にとって重要な情報や、興味を引く情報に関しては、深く理解する」「重要度が下がれば下がるほど、理解しなくても何とかなるので、掘り下げない」といった思考回路になります。これは、ごく普通の話です。

 

しかし、「普通でしょ」という所で考えを止めてばかりでは、かなり危険。

「分かったつもり」という錯覚を放置していれば、その錯覚が「思い違い」「思い込み」「思考の隙間」「チェック漏れ」などを産み、意外な大失敗が発生する。その可能性があるからです。

 

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この「思い込み」や「錯覚」ですが…。

当記事は「平均」をテーマに取り上げていますので、平均に関する話を通して、考えてみましょう。

 

日常生活で目にする「平均」とは、その大半が「こういう数値が真ん中で、普通」という意味合いで使われています。

例えば「平均年収」。経済の指標として、よく目にする数値です。「平均年収が300万円」というデータが出た場合、自分の年収と比べて一喜一憂…という方は多いのではないでしょうか。

他には、「平均体重」というデータを目にする機会も多い。ダイエット記事が気になる方にとって、敏感になる言葉でしょう。

「平均得点」という言葉は、学生さんにとっては気になるワードです。社会人の方でも、資格試験に挑戦する方にとっては同様でしょう。

「平均勤続年数」は、就職活動をする際には重視する数値です。人々が早く辞めてしまう会社は、「普通では無い・問題アリ」と見なされて敬遠される…という傾向が強い。

 

「平均」と名の付くデータは、他にも多数。

自分がどの位置にいるか、気にするのも仕方ない事でしょう。

 

ただ、ここで用心したいのは、先程も述べた「分かった気になっている」という錯覚です。

「平均とは、こういう数値が真ん中・普通」という捉え方をされますが、本当にそうなのかと疑う場面、ありませんか?

 

平均値というものは、データの取り方によって、全く意味合いが違うものになるのです。

そこを掘り下げず、出てきた数字を鵜呑みにするのは、甚だ危険。

「データが出てきた背景」や「データの取得方法」について、ちょっと考えてみるだけで大きく違います。

 

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錯覚の例を挙げてみましょう。

 

「ここに、10名の人がいます」

「この人達の平均年収は、1億円です」

こういうデータが出てきたら、どう思いますか?

恐らくは、「10名の皆が社長クラス」「仕事が出来る人の集まり」といったイメージを抱くのではないでしょうか。

 

この数値が、「働いている人・かつ年収1億円の人を、10名集めた」とすれば、そのイメージは正しいでしょう。

 

しかし、「年収10億円の人が1名と、無職・無収入の人が9名の集団」でも、平均を計算すれば「平均年収が1億円」となります。

 

計算は正しいかもしれませんが、伝える意味は間違っていますね。

こういう例が、平均に対する思い込みを使った「数字のマジック」です。

これは、嘘の統計資料を出す調査機関や、怪しい商品を売る会社が多用するテクニックです。

 

数値の背景まで見ないと、コロッと騙されます。

これは、「平均」に限った事ではありません。

 

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様々な数値情報が、凄い勢いであふれ出す現代。

その全てをチェックし、真偽を確かめるという事は、事実上不可能です。

 

しかし、鵜呑みにする前に、ちょっと考えてみる事をオススメします。それだけで、大きく変わります。

 

心のどこかに、「ひょっとして、分かっていないのかもしれない」というストッパーを設け、自問自答するのが理想なのですが…。

そればかりでは、いつまでたっても決断できず、前に進めません。

「理解した!という確信」と、「理解が足りないかも?…という用心」のバランスが大事。

いやはや。難しいものですね。