makaran宝箱

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事の発端を覚えている人は、何パーセントいるの?

受験シーズンもほぼ終わり、次のスタートへ移行する時期になりました。

受験生の皆様、お疲れ様でした。

来年に受験する皆さん、心身を壊さない様に気をつけて、目標に進んでください。

 

そう思っていた所、受験に絡むニュースで、予想通りの動きが。

不正入試が報じられた「東京医科大」に対し、民事裁判が始まった…とのこと。

 

www.bengo4.com2019年3月22日)

東京医科大が過去の医学科入試で、女性と多浪の受験生を不利に扱う入試不正をしていた問題で、元受験生ら33人は3月22日、東京医大に約1億3000万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

訴状などによると、原告は2006年度と2011~2018年度の入試を受けた33人(20代が中心)。全員が女性で、現在も浪人を続ける受験生や進学を諦めて他学部に入った学生、他大学の医学生、現役医師、他の職務についている社会人となっている。

 

33人が連名で提訴し、総額1億3000万円の損害賠償&慰謝料ですか。

単純計算で、一人頭・約400万円。

 

各個人で状況は違うと思いますが…。仮に「入試不正で不合格になり、1年間の浪人生活を送った」とすれば、予備校の授業料や生活費で百万単位のお金が動いても、全く不思議ではありません。

 

受験後に入試不正が発覚すれば、「不正が無ければ合格していたかも知れない」「浪人しなくて済んだのに」となります。浪人生活にかかったお金を返せ!…と言い出すのは、理解できる話。

 

そもそも、東京医科大学の入学検定料金(テストを受ける為のお金)は、6万円

 これは「テストを受ける為”だけ”の代金」です。遠方から来た人は、検定料金とは別に、宿泊費や移動費が必要となります。勿論自腹。

受験だけで10万円以上の金が必要になる…という事も、そんなに珍しくないでしょう。

そんな状況で不正があれば、そりゃあ怒ります。

 

www.tokyo-med.ac.jp

 

「不正があると最初から分かっていれば、そもそも受験しなかった」と言われれば、不正をやった側が謝罪するしかないと思いますが…。

 

東京医科大の担当者は、「訴状を見ていないので、コメントできない」というテンプレ反応。今後の主張がどうなるか、気になるところです。

 

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さて、ここからが当記事の本題。

「なぜ、隠していた不正がバレたのか?」

 

東京医科大は、かなりの長期間、裏でコッソリと不正をやっていました。

テストの結果では合格のはずが、不正採点で不合格とされた受験生は100人以上。影響を受けた受験生は2万人とも言われています。

 

そんな大規模不正がバレる切っ掛けは何だったのか。

それは裏口入学です。

しかも文部科学省の官僚が、自分の子供を合格させる為に、東京医科大に対し不正な得点操作を依頼した」というもの。

入試不正に加えて、国家機関の汚職がプラス。大事件になりました。

www.asahi.com

文部科学省の私立大学支援事業の対象校に選定されることの見返りに、自分の子を大学入試で合格させてもらったとして、東京地検特捜部は4日、文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)=東京都港区=を受託収賄の疑いで逮捕し、発表した。関係者によると、選定を依頼したのは東京医科大学(東京都新宿区)の関係者だという。同省は同日夜、佐野局長を解任し、大臣官房付とする人事を発表した。

 

逮捕された官僚は、私立大学支援事業に関して権限を持つ立場。東京医科大を有利に扱う代わりに、自分の子供の不正合格を依頼した…とされています。

この事件に関しての裁判は、まだこれから。法廷でどういう結論になるかは不明です。が、次々と闇が暴かれている状況。言い逃れは難しいでしょう。

 

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この汚職事件を受け、東京医科大学に調査が入ります。結果、数多くの不正が発覚。

 

更に悪い事に、この問題は東京医科大学だけのものではありませんでした。

文科省が、東京医科大学以外の教育機関を調査しました。結果、東京医科大学と似た不正をやっていた大学が複数報告され、騒ぎが大きくなります。

www.jiji.com(2018年12月14日)

 文部科学省は14日、東京医科大の不正入試問題を受け実施した緊急調査の最終まとめを公表した。医学部医学科を置く全国の81大学のうち、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱うなど不適切な事案や、その可能性が高い事案を指摘した大学が10校あった。


 同省は今後、公正な入試の在り方を議論するため、大学や法曹関係者で構成する検討組織を設置。年明けに共通ルールを検討し、各大学に通知する入学者選抜実施要項に反映させる方針。


 10校は、私立の東京医大、昭和大、順天堂大、日本大、北里大、聖マリアンナ医科大、岩手医科大、金沢医科大、福岡大と、国立大学法人神戸大。いずれも指摘を受けたことを公表済みで、聖マリ医大は不適切入試を否定している。

 

こんなに広い範囲で、入試不正が行われる理由は何か?

 

よく聞くのは「女性は体力に劣るので、医療現場で苦労する。そのため、不正してでも落とす」といった話。

それなら、不正をする前に、「試験科目に体力測定を加える」「必修授業に筋トレを入れる」等の対策を取ればよかったのに。

「必要とされる能力を挙げ、その能力に関する試験を実施し、劣る者は不合格」というのが試験の目的。

裏で不正を働くのではなく、「体力に劣る者は落とす」と公言すれば済む話だと思うのですが…。

女子差別「公然の秘密」=労働環境改善が急務-不正入試:時事ドットコム

 

同様に「女性は出産というイベントがあるので、現場に穴が空きやすく、敬遠される」という話もあります。

難しい問題ですが、それは医療現場に限った事ではありませんし、「隠れてコソコソと不正をしていい」という理由になりません。

事情を正直に話して、解決策を探るべき話。

 

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この問題は、「言わなきゃバレない」という考えが根底にありますね。

問題の解決は二の次で、「自分が得をすればいい」「自分の世代で解決できなくとも、自分の世代で問題が爆発しなければいい」という考えばかりが見え隠れします。

「医師の教育機関」や「教育機関を管理する役所」が、不正OKの思考回路では、下の者も不正に染まるのが普通。

 

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(画像はイメージです)

 

医療ミス、薬害、新生児取り違え…等々。医療機関で問題が発生しても、なかなか謝罪しない姿勢の根本には、上記の様な「不正思考」があるのではないでしょうか。

徹底的に直して頂きたいところ。

 

不正撲滅は、医療全体の向上に繋がります。

素直に頑張っていらっしゃる医師・医療関係者の方も多い筈。不正が出れば、「医療関係者」というだけで、変な目で見られる事もあるでしょう。

そういった気の毒な事態を起こさない為にも、「バレなきゃいい」という考えを捨てて頂きたいですね。

 

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【参考書籍:『患者は知らない 医者の真実』】