無くなりませんね。
だんだん手口も巧妙化し、「そんな手の込んだ事が出来るなら、マトモな働き口を探した方がいいのでは?」と思える事例もチラホラ。
そんな昨今。本日も、特殊詐欺に関するニュースが伝えられました。
www.fnn.jp(2019年3月20日)
巧妙化する詐欺…。検察庁の偽のホームページへの誘導する新たな手口があることがわかりました。
18日午前10時45分ごろ、名古屋市中区の30代の女性の携帯電話に警察官を名乗る男から「国際的金融詐欺にあなたの口座が使われていた」などと電話がありました。
女性は身に覚えがなかったものの、男に言われた通り、インターネット上でアドレスを入力したところ、表示されたのは「検察庁」と書かれたホームページ。
さらに、「被害者認証のため」と、男の指示でホームページ上で自分の名前を入力すると名前と裁判所名などが画面に表示されたため、女性は、自分が「国際的金融詐欺」の被害にあったという男の話を信用したということです。
「特殊詐欺に引っかかる人は、お年寄り」というイメージがあるかも知れませんが、それはあくまでもイメージの世界。
油断すれば、誰だって引っかかります。
上記ニュースによれば、今回の被害者は30代の女性。お年寄りではありません。
今回の手口は、警察を名乗って「公的機関の偽ページ」に誘導し、相手を信用させて金を振り込ませるという手口。
その偽ページが本物ソックリで、パッと見ただけでは誰もが騙されるレベルの仕上がり具合。念入りに確認しないと、9割以上の人が騙されそうな感じです。
(画像はイメージです)
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今回の場合、確認方法として「URLを見る」という事が重要。
URLとは、俗に言う「ウェブページのアドレス」のこと。サーバーやドメイン云々の専門的な言葉を使わずに説明すると、「ページが、どこにあるか」「問い合わせは、どこにすればよいか」という、住所や電話番号みたいなモノです。
例えば、検索大手「Googleの日本版トップページ」のURLは「https://www.google.co.jp/」です。
同様に、「Yahoo!Japanトップページ」のURLは、「https://www.yahoo.co.jp/」です。
このURLは、ブラウザ(「Safari」や「Chrome」等、ネット閲覧用のソフトやアプリ)の最上部に表示されています。
このURL、全く同じものはありません。世界に1つだけのもの。
先程述べた通り、「電話番号と同じ」です。
もし同じ電話番号が2つあったら、電話をかけてもどっちに繋がるか分かりませんよね。それでは混乱するので、同じ電話番号が2つ以上重なることはありません。それと同じ理屈です。
URLが本物では無い場合、詐欺の可能性が非常に高い。そう思った方が無難です。
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ここで問題なのは、「本物と偽者のURLを見分ける方法」ですね。
詐欺が起きる前に、ページをブックマーク(お気に入り)登録しておけば、確認は簡単です。
ポイントは「詐欺が起こる前に」という所。詐欺ページが発生し、そのページを本物と思い込んでブックマークしたら、本末転倒です。普段からの行動が大事。
「自分で検索してみる」という方法も、有効な手の一つです。
詐欺グループは、言葉巧みに偽ページへと誘導します。「ここをクリックして」という偽リンク付きメールを送ってきたり、詐欺電話で偽アドレスを伝えたり、嘘内容を記載したハガキに嘘URLを書いたり…等々。
ただ、大手検索ページの検索結果を誤魔化す事は難しい。不可能と断言は出来ませんが、かなり高水準の技術・手間・費用がかかるでしょう。よほど上手にやらない限り、赤字になると思われます。金儲けが目的の詐欺集団が、そこまでやるとは考えにくい。
相手の言いなりにならず、自分で検索すれば、偽者に引っかかる可能性がグッと下がります。
巧妙な偽ページに対しては、「URLを注意して見る」という方法も有効ですね。
かなり昔から存在する手なのですが、「URLを少しだけ変えて、本物と思い込ませる」という詐欺手法があります。
www.itmedia.co.jp(2008年2月5日)
例えば、検索大手「グーグル」の場合を見てみましょう。
グーグルの正しい表記は「google」です。これを、「gooogle」や「qoogle」や「goog1e」とすれば、別のURLとなります。どこが違うか分かりますか?
よく見ると、1文字だけ違ってたり、1文字多かったり、ほんの少し違います。注意深く見ないと、騙されます。
こういったサイトには、アクセス厳禁。マルウェア(悪さをするプログラム)等を仕込まれる危険性が高い。近寄らない事が重要。
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上記の様に、詐欺師は手を変え品を変え、相手に勘違いさせようとしてきます。
その勘違いを起こさない、最も有効な方法は「慌てないこと」です。
詐欺師は、相手を慌てさせる事により、冷静な判断力を奪おうとします。これが詐欺の極意の一つ。
本物の公的機関や金融機関が、いきなり電話してきて「今すぐ行動しないと破滅する」なんて脅しをかけたりしません。
カードの暗証番号や口座番号を尋ねてくる事もありません。
仮に「本物の公的機関から来た連絡」だったとしても、慌てず騒がず、時間を空けてから対応すればよいのです。
その際は、自分で相手の連絡先を確認すること。相手の指示した連絡先が本物かどうかを、自分の目で確かめること。これが重要です。
落ち着いて相手の主張や指示内容を確認していくと、「おや?おかしいぞ」という違和感が湧いてくる場合があります。
それが、詐欺のサインかもしれません。そこに気付けるかどうかが、勝負の分かれ目。
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ただ、いくら用心しても、「最終的かつ完璧な防御法」というものが出てこないんですよね…。
先程も書きましたが、詐欺師は手を変え品を変え、新たな方法を模索しています。
昨日までは防げたとしても、今日も防げるとは限りません。常に疑ってかかる事が必要。何とも寂しい世の中になったものです。
一度詐欺に引っかかってしまうと、詐欺師の側で「騙された経験者の名簿」に登録されて、第二・第三の詐欺が近寄ってきます。
最初が肝心。用心しましょう。
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