超有名漫画『キングダム』。
- 「週刊ヤングジャンプ」誌上にて連載中の、大人気漫画。
連載開始から13年目、コミックスは50巻を超えました。アニメやゲーム等、関連作品も多数製作。
2019年4月には、実写映画が公開予定となっています。
『キングダム』は、紀元前200年代の中国を舞台にした作品。『史記』という有名な歴史書を下敷きに、独自の見解で語られる物語です。
歴史上の大人物「秦の始皇帝」が、いかにして中国を統一するかを描いた作品。
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「この作品の特徴を、四つ挙げろ」と言われれば…。私は、以下の答えを返します。
(特徴1)主人公の成り上がりっぷりが凄い
先程も申し上げましたが、『キングダム』は始皇帝の話です。しかし、物語は一人の少年の目線で語られます。
その少年が、主人公の「信(しん)」です。
(下画像は、第1巻の扉絵。青い鎧を着た中央の少年が、主人公の信。)
信は、下僕(奴隷の身分)です。下僕は、最下層の身分。平民になる事すら難しいという状況。
そこから這い上がる為に、信は「戦争で手柄を立て、大将軍になる」という目標を持ち、そこに向かって進んでいきます。
いち兵卒から始まり、幾多の死闘を経て、小規模→中規模→大規模部隊の長へと昇進していく姿は、見ていて爽快。
(特徴2)始皇帝の人格が、従来の作品と全然違う
歴史上の大人物「秦の始皇帝」。誰もが一度は耳にした事のある名前ではないでしょうか。
始皇帝とは、秦が中国統一を成し遂げた後、新たに名乗った「君主の称号」です。統一前は「秦王(しんおう)」という称号で呼ばれており、本当の名は「嬴政(えいせい)」といいます。
この嬴政(始皇帝)は、かなり怖い人物だったという話が多数。逆らう者を生き埋めにしたり、自身の考えと合わない書物を集めて焼き尽くしたり…等、暴君のイメージが強い人物です。
『キングダム』以外の作品でも、嬴政が出ているものは多いですが、その殆どが暴君イメージのキャラ設定。「逆らう者は、問答無用で殺す」という描かれ方が大多数。
ところが、『キングダム』の始皇帝は違います。暴君の面影はゼロ。
人徳があって部下に慕われ、危機があれば自ら進んで前線に出て戦い、寸暇を惜しんで勉学に励み、一般市民の名前を覚えて語りかける…という、「君主の見本」みたいな好人物として描かれています。
「この王様の為なら、死んだとしても本望だ」と思わせる魅力がある。それが『キングダム』の始皇帝です。
(下画像は第10巻の扉絵。金の鎧を着た中央の人物が、後の始皇帝・嬴政。)
(特徴3)歴史漫画だが、展開が読めない
「秦による中国統一」は、歴史的事実です。どういう流れで統一に至ったか等、その辺にある歴史の本を見れば、普通に載っている話です。
『キングダム』は、歴史の流れに沿った作品。つまり「話の流れがどうなるか、ネタバレが済んでいる作品」ということ。
その為、「話の流れや結末が分かっている作品なんて、面白くないでしょ」と思われる方が多いでしょう。
しかし、それでも『キングダム』は大人気。
その理由は、「大まかな流れは分かっている…ハズなんだけど、どう考えても勝てる気がしない絶望的な状況。これ、どうやって勝つの?」という展開が多いからです。
例えば、「味方は100人の農民兵。敵は20000人の正規兵。兵力差だけで200倍。この状況から、どうやって敵の将軍を討つのか?」という展開が山盛り。
『キングダム』では、「戦う前から味方が優勢」という場面の方が少なく、ほぼ常に劣勢。そこから「中国統一」という結末に向かうので、逆転に次ぐ逆転を繰り返す必要があります。
その逆転が、予想外の形で発生するから面白いのです。
(特徴4)登場人物のキャラが、やたら濃い
『キングダム』は歴史漫画なので、かなり多くのキャラが出てきます。
主役級や準主役級でも数十人。敵役を入れると百人は軽く超えます。最終的には数百人規模になるでしょう。1000人を超えるかも知れません。
そのキャラの全てが、やたら濃い人々ばかりなのです。
・主人公の信は、「成り上がっていく、熱い武将キャラ」
・もう一人の主人公と言える嬴政(始皇帝)は、「知力・統率力・人間的魅力を持った若き王」
・信のライバルは、「貴族出身の嫌な奴だが、実力はピカイチであり、人には言えない悩みを抱えている陰のあるキャラ」
・信の最大の敵は、「知力・武力においてはトップクラス。正攻法では勝てる見込みが無い強敵」
頼りになる味方キャラ、強すぎる敵キャラ、予想外の形で絡んでくる第三勢力…等。
主要登場キャラの全てが独自の魅力を持っており、それぞれでスピンオフ作品が作れそうな感じを漂わせています。
ちなみに、下画像が最新53巻の扉絵。青い鎧を着たキャラが、成長した主人公の信。
白い鎧を着たキャラが、信のライバルである王賁(おうほん)です。
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『キングダム』の魅力は、まだまだ沢山あり…ひとつの記事では語り尽くせません。
この続きは、次回記事にて。
次回は、『キングダム』を読んだ事のある方向けの記事にする予定。
テーマは「主人公・信は、六大将軍に任命されるのか?」