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『封神する演義』と『封神しない演義』 その1

皆さんは、「仙人って、どんなイメージの人?」と問われたら、どう答えますか?

 

恐らく、

「ツルッパゲの痩せた老人」

「古い着物姿で、木の杖を持つ」

「俗世から離れた霧の深い山に住み、神秘的な仙術を研究する」

…こんな感じのイメージではないでしょうか。

 

 

そのイメージを、粉々に砕いた名作があります。

漫画封神演義(ほうしんえんぎ)』です。

作者は、現在も活躍する漫画家「藤崎竜」氏。

 

藤崎竜 集英社

 

週刊少年ジャンプ」誌上にて、1996~2000年に連載された作品。

漫画は完結済み。ジャンプコミックス通常版で全23巻。他に「完全版」「文庫版」等の別形態でも出版されてます。

 

この作品、完結してから約20年になりますが、未だに根強い人気があります。

つい最近、新規でTVアニメが製作されました。アニメになるのは、これで2回目。

www.tvhoushin-engi.com

 

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この『藤崎竜バージョンの、漫画・封神演義』(以下、『藤崎版』と表記します)。

原案(元ネタ)は、中国の古典小説『封神演義』なのですが、原案とはかなり違う部分が多数。

元ネタを良くご存知の方も、楽しめる作品だと思います。

 

 

『藤崎版』の冒頭を、チョコッとだけ説明すると…

 

・時は、中国古代「殷(いん)」の末期。(ちなみに「殷の末期」は、人気漫画『キングダム』の時代より、更に800年ほど前。)

 

・殷の王である「紂王(ちゅうおう)」は、名君として敬われていた。しかし、絶世の美女と名高い「妲己(だっき)」を娶ってから、態度が激変してしまう。

 

・それもその筈。妲己は邪悪な仙人(仙女)であり、そのレベルは仙界屈指の超実力者。妲己の術で骨抜きにされた紂王は、ただの操り人形と化してしまう。

 

妲己は、仲間の仙人を多数呼び寄せ、宮中を意のままにし、果ては国全体を乱してしまう。

民は重税に苦しみ、殷は大きく傾いた。

 

・そんな折。仙人界の大派閥「崑崙山脈(こんろんさんみゃく)」が動く。

崑崙のトップである大仙人「元始天尊(げんしてんそん)」が、乱れた人間界を憂いて、とある計画を作成した。

その名を「封神計画(ほうしんけいかく)」。

 

・「封神計画」とは、悪行三昧の妲己グループを退治し、特殊世界「神界」へ封じ込める計画のこと。倒すべき人数は、何と365人。

 

・計画の実行者として、元始天尊から指名された者が、主人公である「太公望(たいこうぼう)」。

太公望は、「仙人の素質を見抜いた元始天尊が、人間界からスカウトした人物」である。

 

・スカウトされた太公望は、瞬く間に力をつけた。が、最近は居眠りばかりで修行に身が入っていない。そこで、元始天尊は「封神計画を遂行させる事で、太公望の修行になる」と、太公望言いくるめ説得する。

 

太公望は、元始天尊の命を受ける。彼は、元始天尊から「仙人の必殺武器である、宝貝(パオペエ)」を授けられた後、旅立つのであった。

 

…こんな感じです。少年漫画の王道的なスタート。

 

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話が進むにつれ、心強い味方が増えたり、強力な宝貝が手に入ったり、倒せそうもない強敵が現れたり…という、コテコテの少年バトル漫画になっていくのですが…。

『藤崎版』は、よくあるバトルものと、一線を画す所があります。

 

それは、「主人公である太公望は、時に、思考回路が邪悪になる」という点。

 

太公望は、基本的には「少年漫画の正統派主人公」。正論・王道の手法で戦っていきます。

また、作品内トップクラスの頭脳派です。軍師・軍略家としての力量は、他を寄せ付けません。

 

しかし、場合によって「正義の主人公には有り得ない手」「使っては駄目な手法」を使ってきます。(まあ、そこが『藤崎版』最大の魅力でもあるんですが。)

 

太公望の邪悪思考が出現した話」の中で、筆者が最も驚いたものは、太公望が降伏した後、油断して近寄ってきた相手に不意打ちをかまし、人質にした」という行動を描いた話。

悪役でも滅多にやらない、高レベルの邪悪行動です。敵だけではなく、味方からも大ブーイング。「あいつの仲間である事が、恥ずかしくなってきた」と言われる始末。

 

しかし、太公望が「邪悪行動」を取る理由には、物語の最深部に絡む因縁が隠されていて…。

 

これ以上は、激しいネタバレになってしまいます。

詳しくは、『藤崎版』本編をご覧ください。

 

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他方、

 

『藤崎版』と同じく、中国の古典小説『封神演義』を元ネタにした作品は多数あります。

その中でも、「少女漫画」という形式を取った珍しい作品があるので、併せてご紹介します。

 

作品名は『封神しない演義

 

(サカノ景子 KADOKAWA

 

月刊あすか」で連載されていた作品。昨年、コミックスが完結しました。全6巻。

『藤崎版』に比べると、随分と新しい作品です。

この作品は…。

 

長くなりましたので、今回はここまで。

『封神しない演義』については、次回記事で。

 

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ちなみに、『藤崎版』や『封神しない演義』が元ネタとして扱っている、古典小説の『封神演義も、入手可能です。

 

(訳:安能務 講談社

上・中・下の全3巻構成。

 

この作品に関しては、次回記事でも触れないつもりです。

理由は2つあります。

ひとつは、かなり闇が深い話だから。

もうひとつは、『藤崎版』や『封神しない演義』から、イメージが離れすぎているから。

両作品で膨らんだイメージが、(あまり良くない意味で)消し飛んでしまう内容です。

読むのは、本当に興味のある方だけにしておいた方がよろしいかと。

 

 

書店リンク > 『封神演義(藤崎竜)』第1巻 

 

書店リンク > 『封神しない演義』第1巻

 

書店リンク > 原案小説『封神演義』上巻