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これって放送事故? 違法行為の告発? とある夕方の番組より

昨日、普通にテレビを眺めていると、「違法行為の告発にも見える、興味深い放送内容」がありました。
衝撃的な内容だったので、思わず文章化。

 

ただ、「テレビ局側が、違法行為の告発になるとは思っていない」「違法性の認識が無い」という感じなので、具体的な番組名までは言いません。
(一応、テレビ局側に問い合わせ中)

 

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その番組は、いわゆる「街ブラ取材」の番組。放送局近くの商店街などを歩き回って、話題を探すという内容。

そういう番組で多いのは「グルメ情報」です。定番の「ラーメン」「焼き鳥」などは勿論、関西なら「タコ焼き」「豚まん(肉まん)」などがよく取り上げられます。

 

で、問題の放送内容。

 

レポーターが街中を歩いていると、自転車に乗った若い兄さんが、声をかけてきた。

話好きの兄さんで、微妙なボケをかましつつ、レポーターと会話してましたが…。
その中で、ちょっと怪しい場面あり。

 


その兄さんは、アルバイトの採用面接を終えて、帰る最中。

仕事内容は「キャバクラのボーイ」。即採用で、翌日から出勤とのこと。
(見ていた私は「強烈に動きの早い職場だ」と、かなりビックリ。)

雇用契約書も作成済み。その契約書を袋の中に入れて持っている状態で、インタビューに答えていました。

 

しかし、お兄さんが雇用契約の内容に触れた時、番組を見ていた私は「おかしいぞ?」と首をヒネりました。

 

お兄さんが言う雇用条件。
「もし店の女の子に手を出したら、即クビ&罰金100万円」

 

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雇用契約書が画面に映ったわけじゃないので、本当にそういう内容が書いてあったかどうか、それは不明です。

ひょっとして、ただの冗談かも知れません。

 

しかし、本当に書いてあった場合は、労働基準法・第16条「賠償予定の禁止」に触れる可能性が高い。

(賠償予定の禁止)

第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#65

 


これは、「もし仕事中に皿を割ったら、罰金1000円」みたいな感じで、あらかじめ賠償額を決めておくことは禁止とする規定です。

もし違反すれば、最悪の場合「懲役」。これも労働基準法に規定があります。

第百十九条 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#514

 


お兄さんの話が本当なら、そのキャバクラは違法行為をしている事になる。
これ、放送してはマズイ内容なのでは?

(まあ、キャバ業界ではよく聞く話で、ネットの知恵袋系でも頻繁に見る話ではあるんですけど。)

 

 

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具体的な職場名などは放送されませんでしたが、本当にしろ冗談にしろ、問題になるのではないでしょうか。

これ、放送前にチェック入れてるのかな?
もしチェック済みだとすれば、どういう解釈で放送OKになったのか、是非知りたい。

 

お兄さんの言った禁止事項が本当ならば、労基法違反で監督署が動く話になる。

冗談だとしても、お兄さんの勤め先が怒るでしょう。「ウチは違法行為してない。誤解されるやろ!」と。

 

どっちに転んでも、テレビ局が騒ぎに加担してしまうと思うんですがね…。

 

 

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(補足)

労基法16条の規定があるからといって、「従業員が出した損失は、使用者が丸被りして泣き寝入り」というわけじゃありません。労基法16条は、「労働者の責任で損害が発生した場合の賠償請求」についてまで禁じたものではありません。状況にもよりますが、使用者が、従業員に賠償を求める事が可能。 

分かりやすい例としては、いわゆる「バカッター騒ぎ」があります。「従業員が冷蔵庫の中にふざけて入り、その様子を撮影してネットに拡散した」という例で考えてみましょう。

「そんな冷蔵庫、不潔だろ!」と世間から叩かれ、使用者負担で、泣く泣く冷蔵庫を新品に買い替えた…なんて場合は、「従業員の馬鹿騒ぎがなければ、冷蔵庫を買うコストは発生しなかった」として、賠償請求が通る事も有り得ます。不幸にも同様の事例を喰らった当事者の方は、法律の専門家に相談する事をお勧めします。


(参考資料)

「商品に手を出すな」キャバ嬢と恋に落ちたスタッフに賠償請求ーー認められるのか? - 弁護士ドットコム

キャバクラを辞めようとしたら「罰金50万円」請求された! 支払う必要はある? - 弁護士ドットコム

賠償予定の禁止(第16条)解雇(第18条の2)解雇制限(第19条)解雇の予告(第20条)退職時の証明(第22条) | 愛媛労働局

 

 

 

 【関連書籍】『図解 人事労務担当のための雇用と労働の基本ルールがよくわかる本 社員とトラブルにならないために知っておくべき50のテーマ(著:みずほ総合研究所 東洋経済新報社)』  

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