makaran宝箱

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「テレビ番組」と「生態系」

テレビ東京系列局の人気番組に、「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」というものがあります。

池や用水路の水を抜いたり止めたりして底を露にし、出てきたゴミを片付けたり、本来日本には生息していないはずの「外来種」を駆除したりする…という番組です。

ちょっと聞いただけでは「地味な印象」が強いですが、意外にも番組は好評。筆者も、拝見した事が何度かあります。

テレ東といえば、独自の路線を貫くテレビ局として有名。この番組も、「ただのドブさらいを番組にして、しかも当てた」という評価が多い模様です。「アイデアの勝利」と言うべきでしょうか。

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しかし、何にでも批判はつきもの。奇抜なものに関しては、特にその傾向が顕著です。
その中のひとつとして、2018年8月9日のデイリー新潮に、こんな記事が掲載されました。

教育上いいの? 「池の水ぜんぶ抜く」の“殺生正当化” 専門家が指摘
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/08090557/?all=1&page=1


記事の内容を、筆者なりにまとめると、以下の様になります。


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[1]テレビ東京の人気番組「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」に対し、「ちょっとおかしいのでは?」と疑問を持つ専門家がいる。

[2]疑問その1。とにかく「外来種を駆除する事」だけを優先させ、生き物を殺す事(殺生)に関して無頓着である。チビッコが番組に参加している事も多く、教育に良くない。

[3]疑問その2。「外来種=絶対悪」と決め付ける事はできない。生態系のバランスを取る為に、在来種であっても駆除する場合がある。

[4]疑問その3。過去には配慮が足りず、外来種を駆除するどころか、守らなければならない在来種を間違って殺してしまった事もあり、テレ東が謝罪した。それを忘れたのだろうか?


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…とまあ、こんな感じです。要するに、「子供の教育に良くない番組だ」と言いたい様子。


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批判されている方の仰りたい事は分かりますが、筆者はスンナリと受け入れる事ができません。引っかかる点があります。


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【1】そもそも、この番組は教育番組ではない。楽しむ事を目的とした「バラエティ」である。製作者自らが「ビッグバラエティ」と銘打っているので、明らかである。
バラエティは娯楽番組。教育番組として作られていないので、教材に向かない事が多い。

【2】撮影の際に配慮が足りず問題視され、テレ東が謝罪した事は事実。しかし、同じミスを避けようと用心している事は分かる。
例えば、
「大学の研究者に同行して貰い、常に指示を得ながら作業する」
「捕獲した外来種を研究材料として持ち帰り、研究室での調査結果を発表する」
環境省などから事前許可を得ており、その事を番組内で説明している」
等である。

【3】「なぜ、その外来種が駆除されるのか」について、ちゃんと理由を述べている。多いのは「生態系を破壊する為」、もしくは「人間に直接危害を加える為」である。
そういう面を考慮に入れず、「殺生を促す」と断定するのは良くない。

【4】「チビッコを駆除に参加させ、お祭り騒ぎで浮かれてる」と批判する専門家がいるが、駆除は基本的に「各地の依頼を受けて実施したもの」である。金銭をバラ撒いて、チビッコを動員したという話も聞かない。
批判するなら、テレビ局と同様に応募者も批判しなければ不公平。


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何だか、「製作者サイドの目的と、批判している方の注目点が、ズレている」という風に感じます。


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この番組を批判されている方の気持ちは分かります。
実際、過去に問題を起こして騒ぎになっていますし。
生態系を専門的に研究され、独自の保護活動をされている方から見れば、歯がゆい部分もあるでしょう。

しかし、この番組の第一目的は「視聴者を楽しませること」です。
その目的を達成する事とのバランスを考えた上で、周囲への配慮・学術的データの紹介・法令等の注意喚起などなどを行っているのです。

視聴者に楽しんで貰い、興味を持って貰い、その結果「正しい情報」を伝えようとしている、そういう番組でしょう。


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逆に考えると、「間違った情報が混じっていれば、いくら楽しめるものであったとしても、台無し」という事になります。

完全なるフィクションならともかく、学術要素を含む番組なら、誤情報の混入は致命傷。私たち「一般視聴者」は、その事に注意しなければなりません。

過失なら謝罪・訂正で済むかも知れませんが、かつて意図的に捏造情報を流して大問題になった事もありました。その番組が打ち切りになったのは勿論、放送したテレビ局が組合から追い出され、孤立したという後日談もあり…。

 

「視聴者を楽しませる為なら、嘘だろうと何だろうとOK」という番組は存在します。

週刊誌の、ゴシップ記事と同じで。

よく裁判になり、騒いだ出版者が敗訴してますよね。ああいうのが、最も良くない。


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ただ、「一般視聴者」は専門家ではありません。誤情報が混じっていても、判別は難しいもの。
そこで、専門家の批評・批判が必要になってきます。

特に、一方的に情報を与えられるばかりで、BGMやナレーションで印象が変わる「テレビ番組」は、何も考えずに鵜呑みにし易いもの。そこに警鐘を鳴らす専門家は、大事な存在です。

「批判はウゼェ」で済ますのではなく、中身を吟味する事が必要です。

 


《《《 まとめ 》》》

正確性のみを突き詰めれば、つまらない。
面白いだけで不正確ならば、もはや害悪。
生態系と同じで、バランスが大事。

【重要】注意・免責事項(2018/8/6時点 最新版)【必読】

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以上、宜しくお願い致します。

 

 

(制定:2017年7月1日)

 

(改定1:2018年8月6日)

「何かを強制したりするものでもありません」との文言を追加。まあ、当初から何かを強制する気はゼロで、文章を読んで頂ければニュアンスが伝わると思っておりましたが、知人のアドバイスで明記する事にしました。